食品素材の機能性評価についての提案
〜食品開発展2015セミナー


2015年10月7〜9日、東京ビッグサイトで「食品開発展2015」が開催された。同展示会セミナーより叶V薬リサーチセンターの「食品素材の機能性評価についての提案」を取り上げる。


「食品素材の機能性評価」に関する依頼が急増

機能性表示食品がスタートし、食品素材の機能性や副作用などの安全性を第三者機関が正確かつ客観的に評価するニーズが高まっている。

叶V薬リサーチセンターは、これまで医薬品や医療機器、化学物質等の一般毒性試験、生殖毒性試験などを行ってきたが、ここ数年、「食品素材の機能性評価」に関する依頼が急増しているという。

現状、具体的に「食品素材の機能性評価」によってどのようなことが分析できるのか。まずは「非臨床試験」。これは主にマウスやラット、モルモットやうさぎなどの小動物を使用する。

分析の目的に応じて「ストレス可視化マウス」「酸化ストレス可視化マウス」「炎症可視化マウス」「乳がんモデルマウス」「肥満抑制マウス」などさまざまなタイプのマウスを選ぶことができるようにしているという。

また豚やサルなどの大動物を使い、同じようにモデルケースを育成し、必要に応じた試験を行う体制も整っている。これらの試験はすべて国内で行われる。

体脂肪低減や肌状態改善などに試験ニーズ

非臨床試験は基本的に「安全性」や「機能性」の調査に適し、中枢神経系、代謝系疾患、免疫やアレルギー関係、炎症、皮膚関連のトラブルなどを調査するのに有効。

「非臨床試験」で安全性が確認できたものや、すでに十分な安全性が確保されていても、必要がある場合は「臨床試験」を行うこともできる。

臨床試験では「体脂肪低減作用試験」「コレステロール低下作用試験」「血糖上昇抑制試験」「肌状態改善効果試験」「睡眠改善作用試験」といった試験のニーズがここ数年非常に高まっている、という。

また、血液を用いた一般検査の他、サイトカインの測定、海馬や綿条体のモノアミン定量、抗酸化・酸化ストレスマーカーの測定、腸内細菌層の解析、遺伝子検査、病理検査なども人気という。

代謝系や免疫関連の試験が人気

2012〜2015年の「食品機能性評価試験」の主な受託実績を分析すると、1位が代謝系、2位が免疫関連、3位が消化器系、4位が皮膚関連、5位が中枢系、6位が抗疲労関連、となっている。

1位の代謝系では「高脂肪食負荷モデルマウス」の試験と「自然発症糖尿病も出るマウス」の試験の人気が高い。

2位の免疫関連では「アレルギー疾患モデルマウス(リウマチモデルマウス)」の試験や、対象食品成分を摂取させた後に糞便を解析するなどで調べる「腸内フローラ解析」が人気という。3位の消化器系では「胃潰瘍モデルマウス」の試験や「大腸炎症モデルマウス」の試験が人気。

4位の皮膚関連では「アトピー性皮膚炎モデルマウス」や「マウスUVA照射光老化モデルマウス」の試験が人気。5位の中枢系では「パーキンソンモデルマウス」や「アミロイドβ誘発モデル(記憶・学習能力評価)」、「老化促進マウスモデル」「脳梗塞/脳血栓モデルマウス」の試験が人気。

6位の抗疲労系では「強制遊泳モデルマウス」や「夏バテモデルマウス」を使用する試験が人気という。

すべての動物実験は倫理面も十分に配慮して行われる。食品臨床試験はまだこれからニーズが高まると予測されるとした。


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