天然のデトックスサポート、ブラックチョークベリー〜食品開発展2015セミナー

2015年10月7〜9日、東京ビッグサイトで「食品開発展2015」が開催された。同展示会セミナーよりCBC鰍フ「天然のデトックスサポート:ブラックチョークベリー(アロニア)」を取り上げる。


古くから伝統医療薬として利用

ブラックチョークベリーはバラ科の落葉低木で、ブルーベリーやラズベリーと同じベリー系に属する。ブラックチョークベリーは別名「アロニア」「チョークベリー」「チョコベリー」などとも呼ばれるが、北半球が原産で日本では北海道くらいまでしか育たない。

5〜6月頃に白や薄いピンクの可憐な花を咲かせ、秋になると実がなり、冬には落葉する。寒さに非常に強くマイナス30度くらいでも耐えることができる。

そのため、北アメリカやロシアを中心に育成されてきたが、古くからアイヌ民族やカナダの民族の間でも伝統医療薬として利用されてきた。

「オーガニック」ニーズにもマッチ

ブラックベリーは他のベリー系の果実と同様に、フラボノイド類、アントシアニン、ビタミン類、必須アミノ酸類、ミネラル類など多用な栄養素を豊富に含むが、果皮が非常に硬く生食には向かないという特徴もある。

そのため古くから、そして現在もジュースやジャムなどの加工により人々の健康に役立っている。通常加工する際に損なわれやすい栄養素が、ブラックチョークベリーの場合、熱や凍結にも非常に強く壊れにくい。

そのため、加工することによるデメリットがほとんどなく「オーガニック」や「天然」「ナチュラル」といった消費者ニーズにもマッチする。

また、その苛酷な自然環境下で生き延びるブラックチョークベリーは害虫や汚染、病気への耐性も強い。つまり強い抗酸化力と強靭な生命力を身につけるためにアントシアニンを非常に豊富に含んでいる。

ベリー系のなかで抗酸化力が最も高い

現在最もアントシアニン含有量の高いベリーは「エルダーベリー」で、ブラックチョークベリーは第2位。アイケア関連食材として人気の「ビルベリー」や「ブラックラカント」「クランベリー」を遥かに凌ぐ量のアントシアニンを含有している。   

またブラックチョークベリーはベリー系のなかでもかなり黒に近い色素をもち、また非常に低糖分であるため「チョークベリー(喉を締め付けられるほどのベリー)」の名を持つほどの渋みがある。

ちなみに「抗酸化力」を示す「ORAC値」を比較すると、ブラックチョークベリーはベリー系のなかでも抗酸化力が最も高いことがわかっている。

ブラックチョークベリーが22939ORACであるのに対し、ビルベリーは13950ORAC。つまりビルベリーよりも64%も高いORAC値を誇る。

「デトックス」や「抗環境ストレス」作用に期待

ブラックチョークベリーは抗酸化力以外に、感染症、高血圧、動脈硬化などの症状に対するレメディとして使用されてきた実績がある。現在は13以上の臨床試験成果が報告されており、とくに「デトックス」と「抗環境ストレス」作用に期待が集まっている。

また食品や大気中の「重金属」を腎臓や肝臓から排泄する働きも注目されている。

他のベリー類と同じで「目の疲れ」「眼精疲労」「ドライアイ」に対するエビデンスも報告されている。さらに欧米では医療現場での放射線汚染対策やデトックスとしても利用されているという。

ブラックチョークベリーを加工した商品は市場にさまざま出回っているが、できれば添加物不使用で、エタノールなどの有機溶媒を使用せずに天然加工されたものを選んで欲しいという。

ちなみにブラックチョークベリーエキスは水溶性のため、サプリメントや食品添加物としての加工も容易である。「北のスーパーベリー」ともいわれるブラックチョークベリーが日本人の健康に役立つ不可欠な食品として、幅広く利用されることが期待されると結んだ。


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