食品の安全性について評価
食品安全委員会は食品のリスクやリスクコミュニケーションを担当、7人の専門委員と12の専門調査会(現在218名の専門家が所属)から成る。
人は、食事からさまざまな物質を体内に取り込む。しかし、食品を構成するすべての物質が安全とは限らない。
食品安全委員会では、食品添加物の問題や遺伝子組み換え食品など、食品の安全性について評価を行っている。
例えば、今注目を集めているのが「トランス脂肪酸」「アクリルアミド」「食肉加工品(ハムやソーセージ)」などの安全性。これらについてどのように考えればいいのか山添氏が解説した。
食品に含まれる不要成分
人は「栄養摂取」を目的に食品を摂っている。しかしこれらの食品の中には栄養素だけでなく、不要成分も含まれる。
例えば、食物繊維は栄養素とはいえず、とくに不溶性食物繊維は体内に吸収されず排泄されてしまう。一方、脂溶性成分(例えばアルカロイドや精油成分など)は不要成分であるにも関わらず一旦吸収されてしまう。
栄養素は主に消化管から吸収され、炭酸ガスと水に分類され、エネルギーだけ抽出されて不要なガスや水は排泄される。しかし不要成分は消化(細かく分解)されず、直接排泄経路を通過して体外に排出される。
あるいは、肝臓など解毒の役割を担う臓器で処理され排出されるかのいずれかの経路を辿る。こうした不要成分の中にはアルコールや医薬品、環境中の汚染物質などもある。
体内で複数の酵素が異物を処理
しかしこれらの不要成分を人間はなぜうまく処理できるのか。それは人類の進化の過程と密接に関係している。食物に含まれる毒素や不要物質を解毒できる動物こそが生存に有利である。
人間は進化の過程で「処理系」を獲得、それは主に肝臓の「異物(薬物)代謝酵素系」として進化した。体内では複数の酵素が働き異物の処理を行っている。
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