米ぬかで醗酵したバイオジェニックス
「腸内フローラ」という言葉が市民権を獲得し、乳酸菌や納豆菌が健康維持に非常に有益であることがよく知られるようになった。
腸内細菌にはいくつか種類がある。乳酸菌を中心に微生物自体が腸内細菌のバランスを整える「プロバイオティクス」。オリゴ糖などのようにプロバイオティクスの餌となる「プレバイオティクス」。そしてこれらの微生物の醗酵によって生成された「バイオジェニックス」。
バイオジェニックスに分類される素材の「LBSカルチャー」は、平成2年、乳酸菌、納豆菌、酵母菌の混合菌を厳選された米ぬかで醗酵することで作られ、現在、食品添加物としても使用されている。
タブレットやクリームなど幅広い用途
乳酸菌は人や動物の小腸に常在する安全性の高い有益な菌で、納豆菌は好気性のグラム陽性桿菌で、芽胞を形成するため、納豆の製造に用いられる。
また、酵母菌は清酒や醤油の醸造など、発酵食品を作る際に欠かせない。いずれも伝統的な飲料や食品の微生物を米ぬかで醗酵増殖させるという、非常に安全なバイオジェニックスである。
「LBSカルチャー」は、毒性もなく、ヨーグルトや納豆のように臭いや酸味もないため、どのような食品や飲料にも添加して使うことができる。
加工法としては、粉末加工だけでなくタブレット、その他の有効な添加物(例えば食物繊維である難消化性デキストリンなど)との合成、クリームやローションといった外用塗布にも応用でき、幅広い用途が見込める。
乳酸菌よりごくわずかな量で有用性を発揮
「LBSカルチャー」の最大の特徴は、培養物成分と加熱死菌から成り、生きた微生物は必要としないこと。
乳酸菌の効果訴求で、「生きたまま腸まで届く」ことをアピールしている商品も多い。しかし、最新の研究では乳酸菌は必ずしも生きている必要がないことがわかっている。
死んでいても有益なのがバイオジェニックスであり、乳酸菌といっても、生菌が血液に入れば危険であるという。
「LBSカルチャー」は生きた微生物を必要とせず、生菌が存在しない。そのため、製造所内での取り扱いも容易で安全である。
また、保存方法も簡単で(粉末保存)、耐性に優れ、耐酸性であることから、乳酸菌よりもごくわずかな量(1万分の1)で有用性を発揮するという。
現在、「LBSカルチャー」は、神戸大学、東京大学、大阪府立大学などとも共同研究を進めており、多数のエビデンスを獲得しているという。
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