古来より強壮など民間療法で使用
ノコギリヤシはヤシ科のハーブの一種でノコギリ状の葉を持つことからノコギリヤシと呼ばれる。夏に花を咲かせ、秋の終わりから冬にかけてオリーブ型の赤い実をつける。
ノコギリヤシは北アメリカ大陸の固有種で、特に果実の部分に優れた機能性が認められている。古来よりアメリカの先住民たちが男性の強壮の食品や民間療法薬として使用してきた。
ノコギリヤシの実には油分が多く含まれるため、食用油やランプの燃料としても使用されていた。19世紀に北米に上陸したヨーロッパの人々によって、このノコギリヤシの不思議なパワーが研究されるようになった。
60代男性の50%が前立腺肥大
ノコギリヤシは、現在では「育毛効果」や「前立腺肥大の抑制作用」が認められ、特にヨーロッパでは泌尿器科の専門家から高く評価されている。近年は日本でも健康食品の成分として知られるようになってきている。
前立腺は精液の一部を作る役割を担う、男性だけが持つ臓器であり、膀胱の下に尿道を挟む形で存在している。
この前立腺は加齢とともに肥大する傾向にあり、その肥大によって膀胱や尿道が圧迫されて頻尿になる、排尿に異常を感じるといったトラブルが生じるのが前立腺肥大症である。
基本的には良性の疾患であるが日常生活の質が低下するケースもある。現在、60代男性の50%が前立腺肥大に悩んでいるとされる。
悪性ホルモンが男性型脱毛も誘発
前立腺が加齢によってなぜ肥大するのか、その原因についてはっきりしたことはわかっていないが、原因の一つに男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」があると考えられている。
男性ホルモンとして有名なテストステロンが、人間が元々持っている酵素の一つ「5αリダクターゼ」と結合することで悪性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」に変換され、この「ジヒドロテストステロン」が前立腺細胞の増殖に働きかける。
さらにこの「ジヒドロテストステロン」は頭皮の毛乳頭と結合することで抜け毛をも促進させる。つまり男性型脱毛の誘発である。「ジヒドロテストステロン」を減らすためには「5αリダクターゼ」を減らす必要があるが、この「5αリダクターゼ」を阻害するのがノコギリヤシエキスである。
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