世界中で伝統的に作られている
健康的な食事を意識するうえで調味料は重要な役割を果たすが、その一つとして魚醤に注目が集まっている。
魚醤とは魚に塩を加え約一年ほど醗酵させた後、液体と個体を分離させ、その液体部分を濃縮エキス(調味料)として利用するもの。
醤油や味噌も醗酵調味料だが、魚醤は醤油や味噌と違い世界中で伝統的に作られ利用されている。
トラディショナルな製法で作る魚醤は、原料も魚と塩だけでとてもシンプルで、魚のタンパク質由来のアミノ酸と核酸が豊富に含まれ、醤油や味噌とは異なり小麦を使用しないためアレルギーの心配もない。
日本ではあまり普及してこなかった
魚醤は世界各国で作られている。特にベトナムのニョクマムやタイのナンプラーが有名だ。
日本でも、石川県の「いしる」、香川の「いかなご」、秋田の「しょっつる」が3大魚醤として知られている。
ベトナムやタイ料理で特に良く利用される魚醤だが、一般的な利用方法としてはソースがメイン。特に唐揚げや手羽先といった肉料理のソースの相性が抜群とされる。
他にもトマトとの相性が良いためトマトスープやトマトソースの隠し味としてもよく利用されている。
このようにベトナムやタイでは広く浸透している魚醤だが、日本では魚醤の独特の強い香りが日本食の素材の良さを消してしまうといったことからあまり普及してこなかった。
ベトナム料理やタイ料理ではパクチーをはじめとした強い香りの香草が使用される。そのため、魚醤の臭いが気になりにくいが、日本食では香りの強い食材があまり多くないのが普及しない原因の一つに考えられる。
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