ブロッコリースプラウトエキスの新美容機能
〜ifiaJAPAN2016セミナー


2016年5月18日〜20日(金)、東京ビッグサイトで、ifiaJAPAN2016「第21回国際食品素材/添加物展・会議&第14回ヘルスフードエキスポ」が開催された。同展示会セミナーより、オリザ油鰍フブロッコリースプラウトエキスの新美容機能について取り上げる。


ブロッコリースプラウト、「糖化」対策にも有効

ここ数年、健康食品として人気上昇中の「ブロッコリースプラウト」。ブロッコリースプラウトとは発芽して3〜4日目のブロッコリーの新芽で、スーパーの野菜コーナーでも日常的に並ぶようになっている。

ブロッコリースプラウトの機能として、抗ピロリ菌作用や抗がん作用などが報告されているが、ここにきて「糖化」や「カルボニル化」にも有効に働きかけることが分かってきている。

「糖化」はここ数年、健康&美容業界で話題になっている。「糖化」とは食品から摂取した糖の余った過剰分が体内のタンパク質と結びついた結果できる最終糖化産物「AGEs」を生み出すことである。

老化の原因で注目されている「カルボニル化」

この「焦げ」のような物質AGEsが体内に溜まると、血管がもろくなり、肌組織ももろくなる。

つまり老化が促進されるため、今やアンチエイジングや健康維持のためには、抗糖化対策が必要であるとされている。

特に肌のシミ、シワ、タルミと糖化は密接に関係しており、AGEsがコラーゲン繊維を壊し、肌の弾力を低下させるメカニズムも解明されている。 そして、糖化同様、老化の原因として新たに注目されているのが「カルボニル化」。

「カルボニル化」と糖化とは密接にリンクしているが、違いがある。「カルボニル化」とは余った糖ではなく「酸化した脂質の分解物」がタンパク質と結びついて最終脂質過酸化産物「ALE」を産生すること。糖化同様、タンパク質を変性させることによって老化を促進させる。

カルボニル化、糖化より毒性が強い

このカルボニル化によって肌のくすみ、しかも黄色くする「黄ぐすみ」が起こることも分かってきている。30代以降の女性の肌の悩みについて調査すると「くすみ」と回答する女性は非常に多く、くすみを解消する基礎化粧品の市場ニーズは高い。

糖化もカルボニル化も加齢とともに蓄積されていく最終産物によって起こるが、カルボニル化のほうが毒性が強いといわれ、今後は糖化以上に「カルボニル化」が注目されそうだ。

糖化もカルボニル化も現状は美容の観点から対策を求められることが多い。しかし、実は糖尿病を中心とした生活習慣病患者や骨粗鬆症患者、認知症患者の多くにも皮膚を含む体のあちこちに糖化やカルボニル化の現象がみられる。

そのため、生活習慣病や認知症にも抗糖化、抗カルボニル化の防止を考えることが対策になることも分かっている。

スルフォラファン、体内で解毒酵素を誘導

この抗糖化や抗カルボニル化にもブロッコリースプラウトが役立つことが分かってきた。ちなみにブロッコリースプラウトの効用でスルフォラファンが知られている。

ブロッコリースプラウトのグルコラファニンという成分はスルフォラファンの前駆体で、これが咀嚼や消化の過程を経ることによって、体内でスルフォラファンとなり体内を循環する。

さらにこのスルフォラファンは体内で解毒酵素を誘導し、発がん物質を無毒化することが動物実験において確認されている。そのためスルフォラファンが「抗がん」の分野で注目されてきた。

糖化とカルボニル化を顕著に抑制

さらに、今回試験管での実験(in vitro)で、美容やアンチエイジングにも効果を発揮することがわかってきたという。

試験管内で糖化とカルボニル化を再現させた細胞に「ブロッコリースプラウトエキス」と「スルフォラファンエキス」を添加したところ、いずれの成分も糖化とカルボニル化も顕著に抑制する治験が示された。

そのため、今後は健康食品素材だけでなく、化粧品素材としてもブロッコリースプラウトエキスやスルフォラファンエキスが利用できることが期待される、とした。


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