健康サポート薬局を配置
このところ「かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局」という言葉をメディアが頻繁に報道するようになり、その存在や役割の意義に注目が集まっている。
厚労省を中心とした関係省庁も健康サポート薬局としての役割を通達したり、患者のための薬局ビジョンについて報告書を公表している。
また今年の3月からは調剤報酬が改訂され「お薬手帳」が再注目されるなど、国として医療費削減やヘルスメディケーションの普及のために薬局・薬剤師をフル活用するよう指導や動きが活発化している。
薬事行政のビジョンとしては、2025年までに全国に1万校ある中学校区に1薬局以上の健康サポート薬局を配置することを目標としている。
すべての薬局をかかりつけ薬局にし、健康寿命延伸のための地域に密着した健康情報拠点になることを目標としているという。
各患者の管理をデータベース化
かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師とは、患者がかかっているすべての医療機関を把握し、一般用医薬品を含めた服薬情報を一元的かつ継続的に把握し、それらの薬歴が適切に記録管理されることが基本となる。
そしてその情報(データベース)を基に患者の残薬の管理や確実な服用になる指導を行うことが重要な任務となる。
現状、各薬局は「お薬手帳」をきっかけとした「顧客の囲い込み」にやっきになっているが、いずれ遠くない将来、各患者の管理はデータベース化され、それがマイナンバーなどと連動する見込みもある。
個人情報の一元管理ができた先には、どの薬局へ行っても患者は適切な服薬指示が受けられるようになるはずで、「お薬手帳」による情報の集約化の先を見越す必要がある、と堀氏。その未来とは、コンピューターではできない部分のサポートをする「人」ということになるだろう、という。
薬剤師の育成も重要
例えば、胃酸分泌を抑制する作用のある胃薬を飲んでいる患者がドライアイの症状を訴えた場合、眼科受診や目薬の購入を促す前に、飲んでいる胃薬によって涙の分泌が抑制されている可能性がある。
そうしたことを指摘し、まずは胃薬を変えてみるといったきめ細やかな指導は薬剤師の知恵と知識、さらに経験によってはじめてできる。
こうした薬剤師の育成も重要で、薬剤師は薬剤だけでなく要指導医薬品や健康食品についてもそれらの特性を十分理解し、適切に説明する必要に迫られている、という。
不要な薬をなくす指導も
また同時に薬剤師は適切な薬を指導するだけでなく、不要な薬をなくす指導も求められるようになってきている。例えばオランダは抗生物質の利用を減らすことに成功しているがその事例を学ぶ必要もある。
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