体内時計に関係するホルモンを動かす
今回の試験デザインではこのサーカディアンリズムのなかでもホルモンがパッションフラワーエキスで動かせるかどうかを考察するものだ、と解説。
ホルモンの中でも活動期に増えるホルモンとしてPer2とCry1というものがある。逆に安静時に増えるものの代表がBmal。
今回の実験ではマウスの皮膚の線維芽細胞にパッションフラワーエキスを添加することでこれらのホルモンがどのように変化するかを観察した。
結果、パッションフラワーエキス添加群はコントロール群と比較し、有意にPer2とCry1の発現量が増加したことがわかったという。
時計遺伝子の役割を果たす物質は全ての細胞に含まれているが皮膚の線維芽細胞にもあり、その一つがこのPer2とCry1ホルモンであるという。
日中はこのホルモンが活性することで紫外線などの刺激から皮膚を守り、夜は夜のホルモンが働くことで細胞を修復するように、メリハリを持って働く。
この細胞実験で、体内時計に関係するホルモンを動かせることがわかったため、マウスの睡眠実験も行った。
コントロール群、脳に働きかける睡眠薬に似たムシモール群、そしてパッションフラワーエキス添加群の3つのグループに分け、それぞれの「寝付くまでの時間」「睡眠時間」を調べた。
結果、パッションフラワーエキス群はムシモール群と同等レベルで寝つきの時間が短かく、また睡眠時間はムシモール群には劣るものの有意に長くなったことが分かった。
日中の「活動」や「眠気」を改善
こうした結果を見てもパッションフラワーエキスにより入眠がスムーズになり、睡眠時間が延長することがわかったため、社内ではヒトモニター試験も行った。
16名という少人数だが、パッションフラワーエキスを2週間1日200mg摂取することで睡眠スコアが改善した、という。
パッションフラワーエキスを摂取することで、時計遺伝子の発現を活性し、特に活動時のホルモンに影響を与えることで、昼夜の生活リズムにメリハリが与えられた。
その結果、寝つきの改善や睡眠時間の延長が起こり、ヒト試験においても日中の「活動」や「眠気」が改善されることが分かった。
このメリハリがしっかりしているほど睡眠の質も向上するため、ぐっすり眠れるという流れになるのではないか、という。
体内時計を調整する作用のある成分は今の所ほとんど見つかっていない、パッションフラワーエキスは安全性も高く粉末(水溶性)であるため使用しやすい。現代社会に必須の健康成分として活用して欲しいとまとめた。
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