2017年の「食」のトレンドに迫る
〜TREND EXPO TOKYO 2016


2016年11月11日・12日、東京ミッドタウンで、「TREND EXPO TOKYO 2016」が開催された。「未来のヒットを体感できる2日間」をテーマに食のトレンドやヒット予測に関する多数のセミナーや展示が行われた。この中から、勝山亜唯美氏(日本スーパーフード協会 代表理事)の講演「"スーパーフード""機能性"ってよく耳にしませんか?〜2017年の「食」のトレンドに迫る!」を取り上げる。


2017年流行りそうなスーパーフードトップ10

ここ数年「スーパーフード」や「機能性」という言葉が定着しつつあるが、こうしたキーワードこそがまさに食のトレンドを示している。

健康意識が高まり「何をどのように食べるか」を消費者は一層気にする傾向にある。そうした時に「スーパーフード」や「機能性」と書かれた食品を選ぶ人が増えている。この傾向は来年以降ますます強まることが予測される。

そうした中、2017年はどんな食品が新たなブームを起こすのか。講演では2017年にヒットしそうなスーパーフードトップ10と注目の機能性食品を紹介した。

そもそもスーパーフードとは「食歴が長く、古来より人々の健康に寄与してきた食品であり、それによりその安全性や効果に信頼がおけるもの」と定義されている。

来年流行りそうなスーパーフードトップ10は以下であると勝山氏は紹介。

第1位「レッドフルーツ」
アセロラやコジベリーのようなレッドフルーツは美肌、美白、アンチエイジングに必須のスーパーフードとして既に知られている。

これまでジュースやピューレでの販売が多かったのでそこまで広まらなかったが、今年から来年にかけて使いやすいパウダータイプが登場しているため、スムージーや料理、コスメにも使用されるようになり、来年はさらなるヒットが予測される。

抗酸化や腸内環境改善素材も

第2位「青いスーパーフード」
代表がスピルリナ。スピルリナから抽出されるフィコシアニンと呼ばれる青い色素はポリフェノールの一種で、着色料としても活用できるため、これまでの人工着色料が天然色素に切り替わることに大きな影響を与えそうだ。

第3位「酸化しないスーパーオイルCOME NUKA」
良質な油の健康作用が認知されるようになり、油を調味料やトッピング、あるいはドリンクとして使用する人が増えている。

油といえば酸化のデメリットがあるが、酸化しない米ぬかオイルはコレステロール低下作用も兼ねそなえ、国内外で急速に需要が増えている。COME NUKAとして海外からの注目も熱い。

第4位「MUGIGOHAN」
COME NUKA同様、ジャパニーズスーパーフードの一つである「大麦(もち麦)」は水溶性食物繊維が豊富に摂れ、腸内環境を改善することが期待され、海外でもすでに人気が出始めている。白米と混ぜて炊くご飯としてだけでなく、スープの具材やトッピングとしての利用なども可能だ。

第5位「プラントウォーター」
2020年のオリンピックに向けて国内ではスポーツニュートリションへの注目も高まるが、すでに人気のココナッツウォーター同様、メープルウォーター(カエデの木)やバーチウォーター(カバノキ)といった樹木から取れる液体が、ミネラル豊富で無加糖なのに程よい甘みがあるため、新たなスポーツドリンクとしても注目される。

第6位「カカオニブ」
スーパーフードの中でも「ハッピースーパーフード」といわれ、幸福感やリラックス感をもたらすとされているのがカカオニブ。チョコレートのような甘みはないものの、トッピングしたりスイーツの材料にしたりすると美味しくリッチに楽しめる。

花粉症対策商品も注目

第7位「シーバックソーン」
ムーミンテーマパークが2017年にオープンすることもあり、ちょっとしたフィンランドブームが始まっているが、フィンランド一押しのスーパーフードが「シーバックソーン」。

日本では「サジー」の名で知られるが、これまではジュースの販売が主であった。今年から来年にかけてはパウダータイプのものが主流となりそうで、それに伴いさまざまなメニューに利用されると予測される。

第8位「進化系チアシード」
チアシードのブームは安定期に入っているが、より美味しく食べる方法としてローストタイプに注目が集まる。加工してもオメガ3の含有量が変わらないのが嬉しい。炒りゴマのように使用できるため、和食レシピにも相性が良い。

第9位「ビーポーレン」
蜂が集めた花の蜜と花粉を自らの酵素で丸めたものがビーポーレン。花粉症対策になると海外ではすでに大ヒットしている。はちみつのキングとして知られるマヌカハニーやプロポリスよりもより機能性に富むことで注目される。

生鮮食品の機能性表示が期待

第10位「スプラウテッドアーモンド」
以前から注目されているアーモンドだが、発芽玄米と同様、発芽アーモンドが登場。生のアーモンドを発芽させることで栄養価がさらに高くなる。スプラウトそのものの人気が高いので、その影響もあって知名度を上げそうだ。

他にも機能性食品としては「機能性もやし」に注目が集まっていることや、ヘンプシードというスーパーフードの紹介も行われた。

錠剤サプリメントから栄養を摂るより、できるだけ食品を原型で食べることでさまざまな栄養をナチュラルに取り入れたいと考える人が増え、海外ではアスリートやセレブを中心に「サプリメントからスーパーフードへ」の流れが活発化しているという。

2017年もその傾向はますます強まり、特に機能性表示食品制度のスタートで生鮮食品にも機能を表示できるようになったため、機能性もやしや機能性みかんのような食材がますます注目されるだろう、とまとめた。


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