糖尿病、認知症リスクの増加要因
現代社会において「脳の機能異常」の問題には2種類ある、と益崎氏はいう。「認知機能低下」と「依存症」である。
「依存症」というのは単に脳の機能異常が依存を引き起こしているということではない。
最近は「依存症」が糖尿病の原因にもなることが知られている。また糖尿病は認知症のリスクを増加させる要因であることも含まれているという。
主な依存要因にニコチン、アルコール、ギャンブル、ゲーム、薬物などがあるが、最近ではインターネットも含まれる。
また甘い物がやめられない、脂っこいものがやめられない、といった食への依存も見逃してはならない、と益崎氏は指摘する。
「依存症」軽減で、玄米に関心
今回の研究では、この依存の中でも「動物性脂肪の習慣的過剰摂取」「動物性脂肪に対する嗜好性」について、また依存と玄米由来機能性成分の関係について取り上げた。
この「依存症」を軽減させる可能性のある食材として「玄米」に関心が集まっているという。
そもそも玄米は天然の完全食とも呼ばれ、中でも米ぬかにはビタミンやミネラル、食物繊維といった機能性成分が豊富に含まれており、食後の血糖上昇を抑制する低GI食品であると以前から注目されている。
さらに玄米には善玉菌の増殖を促す食物繊維が豊富に含まれ、昨今の腸内環境ブームに後押しされプレバイオティクスとしても期待が寄せられている。
米ぬかに含まれるγオリザノール、2型糖尿病を予防
玄米食が2型糖尿病に有効であることは以前から疫学研究を中心に示されていた。しかし、そのメカニズムについては明らかでない部分も多かった。
メタボの男性に2ヶ月間主食の白米を同等のカロリーの玄米に置換することで、肥満、食後の血糖値、脂肪肝などが改善された例など多数報告されている。
また動物性脂肪に対する嗜好性の軽減作用も認められていた。つまり糖尿病になりやすい食習慣が2ヶ月の玄米食によって改善されたことが報告されている、と益崎氏はいう。
玄米が2型糖尿病に良い理由で、玄米に含まれるγオリザノールという機能性成分が良いのでは、ということは以前から知られている。
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