腸内フローラを整える「生きた微生物」
プロバイオティクス研究は年々盛んになり、「プロバイオティクス」や「腸内フローラ」という言葉もよく知られるようになった。プロバイオティクスを積極的に摂ることで得られる効果への期待も高まっている。
プロバイオティクスとは、腸内環境や腸内フローラを整えることに関与する「生きた微生物」であり、プロバイオティクスに対抗するものとして「抗生物質」がある。
抗生物質は治療で使用されるが、使用頻度が増えるたびに耐性ができ、イタチゴッコのように新しい菌が生まれる。抗生物質の使用のリスクが世界的に問題視されている。
日本でトクホ商品第1号乳酸菌
一方、プロバイオティクスは、副作用もなく複数の疾病を予防できる可能性が秘められ、非常に期待されている。
プロバイオティクスの中でも、LGG乳酸菌は世界で研究されているグローバルな乳酸菌で、論文数1000本以上、臨床試験300以上、世界50カ国以上で商品化されている。日本ではトクホ商品第1号乳酸菌としてよく知られる。
LGG乳酸菌は、1985年にアメリカのタフツ大学のゴルバッハ教授とゴルディン教授により健康な人の腸内から分離、これが最初の発見となった。その後1987年に予防医学先進国のフィンランドのバリオ社がライセンスを取得、1994年にタカナシ乳業がライセンスを締結した。
ウイルスを束ねて体外に排出
LGG乳酸菌の最大の特徴は「持続性乳酸菌」。LGG乳酸菌には「ピリ」と呼ばれる線毛がある。このピリはLGG乳酸菌の周りに産毛のように存在している。
この線毛により腸の中に長くとどまっていられる。さらにこの線毛がウイルスを束ねて体外に排出する働きもわかってきた。ちなみにこうした線毛を持つ乳酸菌はLGG乳酸菌以外には見つかっていない。
LGG乳酸菌は胃酸や胆汁酸に負けず生きたまま腸に届く。摂取後5日経っても糞便中から検出できることも報告されており、他の乳酸菌と比較しても耐性が高いことがわかっている。
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