補完代替医療を求める患者さんが増えている
降矢氏が院長を務める赤坂溜池クリニックではホリスティックな医療を提供している。ホリスティックという言葉はかなり一般的になってはいるが、いまだ曖昧なイメージがあるという。
それでも、来院する患者さんの多くは「ホリスティックなアドバイス」や「補完代替医療」を求める傾向が強い、と降矢氏。
そもそも医療や医学の分野で「治療」に準ずる言葉はたくさんある。「治療」と言えば一般的に外からのアプローチを指す。
「セラピー」と言えばアロマセラピーや森林セラピー、ハーバルセラピーや温泉療法などさまざまあり、治療よりもマイルドなアプローチがイメージされる。
ホリスティック、全体を多角的に扱う
「トリートメント」という言葉もよく使われるようになっているが、日本ではアロマセラピーやマッサージの現場で使われるのに対し、欧米では「処置」や「治療」のことも意味し、国によってニュアンスが異なる。
また日本語では「養生」という言葉もあるが、これは生活習慣における節制法を指している。
さらに最近は「ホリスティック」という言葉がよく知られるようになったが、これは治療の手法や技術ではなく「物の見方、考え方」に使われる言葉で、「ボディ、マインド、スピリットの全体を見る、全体的」という意味で用いられている、と降矢氏。
「代替医療」とは「1つの手法にこだわらず、別の方法によってアプローチする」という意味があり、現在は「補完医療」「統合医療」「補完統合医療」という言葉によって、「ボディ、マインド、スピリット」の全体を多角的に扱うことが求められるようになっている、という。
個々が持つ「自然治癒力」を高める
降矢氏のクリニックには心療内科もあり、そこにやってくる患者さんの傾向として、「薬物治療に対する拒否」が強く、「ホリスティックな治療法」や「自然療法」に対する期待が高く、また心理面(メンタルケア)を望む人が増えているという。
そのためクリニックでは、薬物や運動などでアプローチする身体療法だけでなく、カウンセリング、自律訓練法、認知行動療法など含む40近いアプローチ方法を用意。
患者さんそれぞれに必要なアプローチ方法を1つではなく複数の手法で統合させていき、治療に当たっているという。
メディカルハーブ(=植物療法)は、自然療法の1つであり、西洋医学や対処療法とは別のもの、と思われがちだが、実はメディカルハーブも7種類ほどある「薬物療法」の1つであり、漢方などと同等と考えてよい、と降矢氏。
そしてメディカルハーブは正しく使うことができれば非常に有効であるという。というのも、西洋薬と違い「ポイント」だけではなく「全体」、そして個々が持つ「自然治癒力」を高めることに役立つからだ、と降矢氏は解説。
オススメのメディカルハーブ
降矢氏はオススメのメディカルハーブとして、この分野の第一人者のアンドリュー・ワイル博士の幾つかの書籍から次のハーブをピックアップして紹介した。
強壮ハーブ:アメリカニンジン、エゾウコギ、アンジェリカ
強肝ハーブ:ミルクシスル、アーティチョーク
疲労回復ハーブ:ハイビスカス、ローズヒップ
抗酸化ハーブ:ルイボス、ローズマリー
緊張緩和や不眠対策:バレリアン、パッションフラワー
抗うつ:セントジョーンズワート
鎮痛ハーブ:カモミール、リンデン、オレンジフラワー
月経対策ハーブ:チェストツリー、ブラックコホシュ、アンジェリカ
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