適切な商品を選ぶことは容易ではない
サプリメントや健康食品のニーズは高まっており、これらが果たす役割も非常に大きい。
しかし、消費者が考える健康食品とプロが考える健康食品の間には大きな理解の差があり、それがトラブルの原因になっていることが多いと千葉氏は指摘する。
そこで健康食品やサプリメントの相談を受ける際のポイントなどを解説した。
そもそも健康食品はあくまで「食品」であり、効果効能を謳えないのが大原則である。しかし食品の中でも「栄養機能食品」「特定保健用食品(トクホ商品)」「機能性表示食品」の3つについてはそれぞれ規定があるものの、効果効能や機能性を表示することが許可されている。
特に2年前からスタートした機能性表示食品については、医薬部外品やトクホ商品を超える数の機能表記がされた商品が増えている。
しかもこれらの商品は同じように店頭に並んでいるため、消費者が適切な商品を選ぶことは容易ではない、と千葉氏。
健康食品への誤った認識
例えば、健康食品を扱う専門家であれば、「医薬品は病気を治療するもの」ということを知っている。
さらにいえば、「健康食品は健康の維持増進に役立っても、医薬品の代替にはならない」ことを知っている。
しかし一般消費者は、健康食品が医薬品の代替になる、あるいは健康食品で病気が治ると考えている人も多い。漢方薬を健康食品と思ったり、健康食品には副作用がない、と思っている人も多い。
健康食品を扱う専門家は「医薬品にも健康食品にも副作用のリスクはあり、どちらも使い方が大切」ということを当たり前のこととして知っている。
しかし、一般消費者はそれを分かっていないことを頭に入れて欲しいと千葉氏。
高齢者ほど「医薬品」を嫌う傾向
健康食品を積極的に利用しているのは若年層よりも高齢者層だが、利用する理由の約25%が「家族や友人に勧められたから」というもの。
成分や使いやすさ、自分の体質のとの相性、既に飲んでいる医薬品との相互作用など、健康食品を摂取する上で理解しておくべきポイントを押さえていないことがほとんどだという。
しかも高齢者ほど「医薬品」を嫌う傾向にあり、健康食品に対する過剰な期待が大きい。
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