HMB、筋肉の合成や分解抑制の機能性
〜健康博覧会セミナー


2017年2月15〜17日、東京ビッグサイトで「健康博覧会2017」が開催された。同展示会セミナーから、小林香料鰍フ講演「機能性表示食品 受理 筋肉維持のHMB」を取り上げる。


HMB、筋肉を作り守る

HMBとはHMBCa(HMBカルシウム)のことで、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物。通常、ロイシンは食事から摂取され、体内でHMBが生成される。

HMBの機能は主に2つ。「筋肉の合成を促進する作用」と「分解を抑制する作用」である。つまり筋肉を「作り、守る」成分がHMBである。

食事から摂取され、さらに体内で合成されるなると、HMBを摂取する必要はないように思われる。

しかし、摂取したロイシンはわずか5%しか代謝生成されない。そのため、HMBをダイレクトに摂取した方が筋肉の合成と分解抑制により効果的である。

幅広い層が利用できる

HMBサプリメントはすでに機能性表示食品として市場に流通しているが、幅広い層に利用してもらえるのがこのHMBの特徴であるという。

スポーツ素材はもちろん、ロコモティブシンドローム対策、ダイエット、美容、抗疲労などに応用できる。

エビデンスについては、査読付き論文で「筋力増加、筋力維持、体脂肪減少、筋肉疲労減少」で有効性が報告されており、機能性の表示では「筋肉量や筋力の低下を抑制、筋肉量や筋力の維持に役立つ」というもの。

HMB商品は「小林HMBパウダー」と「小林HMBタブレット」の2品が受理済みで、「小林HMBゼリー」と「小林HMBトリプル」の2品は体脂肪の減少などの機能性を追加し、現在届出中であるという。

多くの人が筋肉の重要性に注目

今、高齢者だけでなく、多くの人々が筋肉の重要性に注目し始めている。加齢とともに筋肉が低下すると、関節に負担がかかり、ふらつきや転倒といったロコモ症状やサルコペニア症状が現れる。

若年層においても筋肉量が低下することで、基礎代謝が低下したり、骨格が歪んだり、内臓下垂による不調が生じたりする。

これらは疾病の原因になるだけでではなく、若年層のメタボリックシンドロームの原因やボディーラインの崩れ、疲労の原因にもなる。

もちろんスポーツをする人にとっても筋肉は大切で、例えば「HMB」で検索をかけると、HMBの愛用者であるプロ野球選手のダルビッシュ有選手やアーティストのGACKTの情報にヒットするという。

さらに、1日に3gまで摂取することで基礎代謝の低下が抑えられることから体脂肪の減少にも役立つというエビデンスも出ており、女性にもターゲットを広げられるという。

筋肉の合成や分解抑制

筋肉といえばアミノ酸やプロテインといった素材がよく知られているが、なぜHMBが重要なのか。それはHMBが筋肉の合成や分解抑制に役立つ、つまりスイッチのような役割を果たしているためという。

日本人の食事量の中に含まれるたんぱく質の量は少なくなく、筋肉の原料であるたんぱく質を日頃の食事から補う人は多い。

しかし、それよりもその摂取したたんぱく質を筋肉に変えたり、筋肉痛(分解)を抑制したりするスイッチを活性させる必要があり、その役割を果たすのがまさにHMBであるという。

1.2gのHMBを体内で合成しようと思うと、1.2kgのステーキを食べる必要があるが、ダイレクト摂取であれば、1.5gのHMBCaを摂取することで1.2gのHMBが合成される計算になるという。

筋肉サポート素材の中でも不足しているのは原料のアミノ酸ではなくスイッチの役割ということで、新たな筋肉サポート素材としてHMBに注目してほしいと話した。


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