脳の健康を保つことが非常に重要
100歳を超える長寿者の中には、健康状態に何の問題もなく、服用している薬も一切なく、頭脳明晰で前向きに健康的に暮らしている人もいる。
有名なところでは医師の日野原重明氏が現在105歳だが現役で活躍されている。また、益崎氏の患者さんである102歳の患者さんもそのような健康状態を保っているという。
その秘訣としては、「感謝の心を持ち続けること、朗らかであり続けること、腹八分目」であることを教えてくれているという。
この患者さんが健康の秘訣の3つの内、2つが心や気持ちのことに触れているが、健康とはまず脳が健康であることが重要であるといえる。
脳が異常をきたすと行動や気持ちに異常が生じる。脳がその人のあらゆる考え方や行動を決めているため、脳の健康を保つことが非常に重要、と益崎氏はいう。
健康長寿県として知られた沖縄、今や「沖縄クライシス」
近年、動物性脂肪の過剰摂取が認知機能の低下や身体活動量の低下、そして動物性脂肪に対する依存行動を引き起こすことが明らかとなっている。依存行動も脳の異常状態である。
かつて沖縄は健康長寿県として知られたが、今や「沖縄クライシス」と呼ばれるほど健康状態に問題を抱える人が増えている。
その背景には食生活の変化、中でも動物性脂肪の摂取量の多さが問題なのではないかと考えられるようになっているという。
玄米が脳に何らかのアプローチ
健康長寿時代の沖縄の人がどのようなものを食べていたかを遡り調べると、その一つに玄米があることがわかり、天然の完全食とも呼ばれる玄米の研究を行ったと益崎氏はいう。
30〜60代の沖縄在住の肥満症男性を対象にしたパイロット臨床研究では、白米食から玄米食に替えるだけでも体重は優位に減少し、食後の血糖値やインスリン血症、脂肪肝、肥満が改善することが発見された。
中でもジャンクフードやファーストフードに対する依存が和らぐことがわかり、これにより玄米が脳に何らかのアプローチをしているのではないか、と考えるきっかけとなった、という。
動物性脂肪に対する強い嗜好性を改善
マウスの実験では、通常食と高脂肪食を自由に食べられるようにすると、マウスでさえ高脂肪食を選ぶが、両方のエサに玄米を混ぜるだけで、高脂肪食への依存が減ることがわかった。
・
・