ヘルスクレーム、中性脂肪関連が最も多い
機能性表示食品市場は、制度発足初年度の2015年、446億円でスタートした。
次年度の2016年は約3倍の1,483億円に達することが見込まれ、制度と商品の本格化と市場拡大が確実になってきている。
機能性表示食品については、「明らか食品(加工食品と生鮮食品)」も表示可能となっている。
しかし、実際の食品別構成比をみると、サプリメント(錠剤のみ)が49.2%、加工食品が42.6%、生鮮食品が8.2%と、加工食品が検討しており、今後も伸びが予測される。
ヘルスクレームでは、生活習慣病関連(中性脂肪、血糖値、体脂肪、血圧)が最も多く、中でも中性脂肪関連は140件を超えている。
次いで、整腸系、肌(潤い)、アイケア、ストレス対策が多い。
難消化性デキストリン関連が多く届出
企業の届出では、松谷化学工業鰍フ難消化性デキストリンを含む商品が100件を超えている。
難消化性デキストリンは非常に使い易い素材で、どんな食品に添加しても元の味や風味を損なわないことが利点。
また、これまで特定保健用食品でも有効と認められてきた実績もあり、届出も比較的スムーズとなっている。
他に、よく使用されている機能性成分として、GABA、DHA・EPAがいずれも70件を超えている。
GABAはストレス関連か血圧対策のいずれかのヘルスクレームで届出が受理されている。
DHAやEPA、とくにEPAは医薬品としての実績もあることからエビエンスも豊富で、機能性表示食品に限らず、健康食品の主要成分として堅調に市場を拡大し、認知機能や中性脂肪などの機能性が認められている。
また、ビフィズス菌関連も多い。腸内環境や腸内フローラ、腸活の人気と共に注目される身近な機能性成分として成長している。
食品関連企業や小売業が参入
機能性表示食品への参入では、従来の健康食品販売業者だけでなく、食品関連企業や原料メーカー、小売業なども前向きに取り組んでおり、スギ薬局やイオンなどが届出受理となっている。
一般食品メーカーでは、ニッスイ(日本水産梶jが「海から、健康エパ(EPA)ライフ」というブランドで多数の機能性表示食品を展開している。
海産物加工品は中高年に人気だが、機能性表示を行ったことで中高年だけでなく、魚離れを自覚している若年層や女性層にも認知されている。
また、商品の美味しさも追求し、あらゆる世代に受け入れられることに成功している。
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