親鶏、リン脂質が豊富
産卵を終えた親鶏は肉質が硬くなる。そのため、食用として利用されることが一般的なブロイラーと比べると少ない。
しかし親鶏は年間数億羽も産出されるため、その有効活用方法を見出すことが長年の業界課題であった。
そこで、丸大食品は親鶏の有効活用を模索する中、親鶏に「リン脂質」が豊富に含まれていることを発見したという。
特に鶏ムネ肉にはプラズマローゲンと呼ばれる脂質が豊富に含まれている。
これが親鶏の有効活用の鍵になるだけでなく、高齢者社会を迎え社会問題の一つとなっている「脳機能や認知症の予防と改善」に役立つのではないか、と製品開発の背景を解説した。
そもそも脂質には「単純脂質」と「複合脂質」がある。「複合脂質」は「リン脂質」と「糖脂質」に分類される。
プラズマローゲンはこの中でも「リン脂質」に分類され、他にリン脂質に分類されるものにホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、グリセロリン、スフィンゴリンなどがある。
プラズマローゲン、脳に多く存在
プラズマローゲンは他のリン脂質と違い「ビニルエーテル結合」という特殊な結合を持つ。また、抗酸化作用を持つ脂質でもある。
プラズマローゲンは人の体内にももともと含まれており、特に人の体内のリン脂質のうち15〜20%がプラズマローゲンである。大量の酸素を必要とする脳や心臓、腎臓や骨格筋に特に多く分布しており、脳にはとくに多く存在している。
体内のプラズマローゲン量は血中から測ることができるが、通常17歳頃から加齢により減少が始まり、60代を迎える頃にはピーク時の40%も減少してしまう。
アルツハイマー病者、かなりの量のプラズマローゲンが減少
アルツハイマー病型認知症患者の脳で、かなりの量のプラズマローゲンが減少していることが海外の研究でも報告されている。
以来、プラズマローゲンは認知機能にも関わる成分として各方面で研究が進められている。ちなみに日本の認知症の67.6%がアルツハイマー型認知症であるといわれている。
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