機能性表示食品をより的確・適切な表示で
元消費者庁長官である阿南氏は、2014年に「消費者市民社会をつくる会ASCON」が設立した際、同会の代表を務めている。
ASCONとは、消費者が「消費力」を高め、企業が「消費者志向経営力」を持って運営できるよう、学び合いの場を設け、教育や啓発事業を推進するという団体である。
現在は主に学習会やセミナーを一般消費者向けに行っている。また、2015年10月には「ASCON科学者委員会」を設け、機能性表示食品を中心に健康食品を独自基準で評価している。
そして、その評価から生じた質問や意見を企業に提示、また企業からの回答をサイトに公開し、消費者の商品選択に役立つよう努めている。
こうした活動には、企業に機能性表示食品をより的確・適切に、分かりやすい表示で届け出してもらいたい、という狙いがいるという。
170製品の機能性食品を評価
ASCONでは、企業が的確に消費者ニーズを把握し、それに適った商品を提供できるようにすることを「消費者志向経営」と呼び、企業向けの「消費者志向経営」セミナーも開催している。
消費者と企業の双方の歩み寄りと対等な関係があってこそ、安心安全な市場の実現が叶うのではないか、と阿南氏。
また、ASCON科学者委員会では平成27年4月施行の機能性表示食品について、消費者庁に届けられた商品の科学的根拠をASCONの独自基準で評価、昨年は170製品が対象となった。
それらを、A(十分に科学的根拠がある)、B(かなりの科学的根拠がある)、C(ある程度の科学的根拠がある)、見解不一致(科学的根拠に達するための追加資料が必要)、の4段階判定を行った。
その結果、31製品がA評価、76製品がB評価、42製品がC評価、16製品が見解不一致になった、という。
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