ヒアルロン酸、機能性食品や化粧品、医薬品への応用〜第2回ウエルネスフードジャパンセミナー

2017年7月25日(火)、東京ビッグサイトで、第2回ウェルネスフードジャパンが開催された。同展示会のセミナーから、矢澤 一良 氏(規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 研究院教授)の講演「ヒアルロン酸の可能性〜機能性食品、化粧品、医薬品への応用」を取り上げる。


水分を抱き込む特性

ヒアルロ酸の機能性としては、水分を抱き込むというのが特徴的である。N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸の結合構造により水を抱え込む。

また、低分子化が可能。ヒアルロ酸は現在2つの製造方法で抽出されている。一つが鶏のトサカで、そのプヨプヨ感はまさにヒアルロン酸。

トサカは日本では食さないが、中国やフランスでは美容食として古くから食されている。

2つ目が微生物発酵による工業生産。乳酸菌の一種であるヒアルロン酸生菌がヒアルロン酸を作り出す。現在はこちらが主流となっている。

食事から摂れる量はごくわずか

ヒアルロン酸は目(元々の発見場所)、皮膚(臨床データが多数あるしマーケット的に多い)、関節に多く存在する。関節については医薬品としても使用されている。

ヒアルロン酸1gで2〜6リットルの水を抱え込む。この水を抱き込みやすいヒアルロン酸の性質が生体内でも利用されている。

ヒアルロン酸は希少な潤い成分で、とり皮、豚皮などからも摂取できるが、食事から摂れる量はごくわずか。

人試験では120mg(〜240)からの摂取が有効とわかっている。120mg摂取のためには豚皮で約225gの摂食が必要となる。

20代から60代で80%減少

ヒアルロン酸量で肌年齢が測定できる。20代から60代でヒアルロン酸は80%減少する。

ヒアルロン酸は、肌を外部刺激から守る、弾力、シワの予防といった、クッションのような働きをする。

ヒアルロン酸を外から塗った場合、角質層までは届くが、それ以上となると医薬部外品扱いとなる。しかしまだ表面に保湿膜を形成することで肌の水分蒸散を抑え、肌の潤いを保つ。

とくに寝ている間に肌の水分が奪われることが多いため、化粧品素材として重要となる。また紫外線ダメージの対策にもなる。

ヒアルロン酸、点眼薬など幅広い用途

健康寿命と平均寿命との差を縮めるために、ヒアルロン酸は有効か?

高齢者のフレイルやロコモ対策が叫ばれているが、このフレイルやロコモから認知症や糖尿病も起こり得るとの見方もある。

これは医薬品では予防できないため、食品やサプリメントの摂取が必要となる。

ヒアルロン酸はグリセリンより湿度の影響を受けにくい。化粧品はもちろん、点眼薬、保湿アイ、白内障手術、関節注射、疼痛緩和などにも利用されている。

ヒアルロン酸に関する基礎研究や機能性研究はまだまだやるべきことが多い。研究会としては新たな機能性の研究開発を目指すとした。


Copyright(C)JAFRA. All rights reserved.