サプリメント研究、100人規模の試験が限界
泌尿器の領域で最も知られるハーブにノコギリヤシがある。
18世紀頃からノコギリヤシの効果効能に関する文献は存在し、アメリカンインディアンなども昔から排尿障害やED、男性更年期に役立つ民間薬として使用していた。
現在、ノコギリヤシは欧米や北米では医薬品として使用されている。
しかし本当に効果があるのかどうか、実際のところ専門家でも議論が尽きないのが現状だ。
サプリメントの研究では多くて100人規模の試験が限界のため、有意差が出ていても結論付けるのは難しい。
そこで米国の医師会JAMAでは、メタアナリシスによって包括的な結論を出すことにしている。
しかし、実際プラセボ群とノコギリヤシ摂取群で比較すると、体感でもノコギリヤシ摂取群の方に有意差が出るだけでなく、尿の出方について計測した場合でも有意に良い改善が見られる。
こうしたことから、現在のところ他覚所見でも有効と考えられており、ノコギリヤシのエビデンスはかなりの量が蓄積されている。
日本ではノコギリヤシは機能性表示食品と認可されていない。
機能性表示食品はあくまで健康な人を対象にしている。排尿障害や男性更年期に効果があることは書けない、と堀江氏。
テストステロンの低下、イライラや不安が増える
ホルモンにはさまざまあるが、女性ホルモンに比べあまり注目されていない男性ホルモンについて堀江氏は解説。
男性ホルモン「テストステロオン」は別名「冒険ホルモン・社会性ホルモン・競争ホルモン」とも呼ばれる。
テストステロン値が高い男性は意欲的で、我慢強く、社会性が高いためボランティアをしたり、不安を感じにくい、公平や公正を求めるようになるといった特徴がある。
しかしテストステロン値が低下するとイライラや不安が増えるだけでなく、痛みや疲れを感じやすくなる。
また、眠りが浅くなったりすることもわかっている。テストステロンは加齢とともに低下する傾向にあり、老化現象の1つと考えられている。
テストステロン、40代から減少
女性ホルモンのエストロゲンは閉経の少し前から一気に低下し、閉経後には確実に低下していく。これはすべての女性が避けて通れない。
しかし男性ホルモンのテストステロンの減少は、80代になってもほとんど低下しない人もいるなど個人差がある。
統計的には加齢とともに低下傾向にあるが、老化しても高い値を維持している男性は少なからずいる。
ちなみにテストステロンの減少は40代あたりから体感し始めることが多い。
40代〜60代において1日のテストステロンの変動を調査した試験によると、60代は日中変動が少ないのに対し、40代・50代は日中にテストステロン値が大きく低下するなど、日中変動が激しいことがわかっている。
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