2010年ころから糖化対策ブーム
糖化と老化の関係は1980年代から指摘されており、特に糖尿病の合併症の原因が糖化であることが知られている。
日本では2000年代になってから少しずつ「糖化」という言葉が聞かれるようになった。
2010年には化粧品会社のポーラとロート製薬が糖化対策の基礎化粧品を発売し、このあたりから「糖化」ブームが始まった。
とくに抗糖化コスメは大ヒットし、これをきっかけにTVの健康番組でもこぞって「糖化」を扱うようになった。
「食べる順番ダイエット」や「糖質制限ダイエット」「炭水化物抜きダイエット」なども糖化対策であり、「抗糖化」の意識が定着していった。
「糖化」と「老化」の関係
2014年実施のネット調査では、老化の原因が「酸化」と答えた人が70%、老化の原因が「糖化」と答えた人が30%だった。
八木氏は25年以上糖化の研究をしているが、現在はより多くの人が「糖化」と「老化」の関係を知っているのではないか、と分析している。
そもそも糖化とは体の中で余分な糖とタンパク質が結合して起こる反応である。
この反応により、細胞や組織の機能が変化したりもろくなる。また同時に、糖化最終生産物であるAGEsという物質が作られる。
これが体内に蓄積すると細胞の炎症や機能の低下が起こることがわかっている。しかも糖化反応は非可逆的反応であるため、AGEsは排出することが難しいと考えられてきた。
認知症は「脳の糖尿病」
しかし私たちは食品を摂取しなければ生きていけない。そのため、糖化は避けられない。
生きることは糖化が生じることであり、糖化によりさまざまな老化現象が起きると考えられている。
しかも糖化は食事から摂取した糖だけでなく、酒のアルデヒト類やケトン体とタンパク質が結合したり、ストレスなどでも作られることがわかってきている。
糖化が起こり、それが進むと、まず組織の色が変わり硬くなるなどの変性が一目瞭然で起こる。
特に肌には顕著に顕われ、「黄ぐすみ」や「ゴワつき」「ハリや弾力の低下」「キメの乱れ」などが進む。
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