ヤマブシタケ、βグルカンが豊富
ヤマブシタケは食用・薬用に用いられる白い球状のキノコで、中国では400年以上前から食されている。
日本では生産が少ないため知名度は低い。形状が山伏の衣装の丸い胸飾りに似ているところから、「山伏茸」と呼ばれている。
ちなみにヤマブシタケは中国では「猿の頭」、アメリカでは「ライオンのたてがみ」と呼ばれ、人気が高い。
ヤマブシタケは食物繊維やビタミンB群、βグルカンが豊富で、アガリクスを上回るともいわれている。
ヤマブシタケから抽出されるエキスで特徴的なものは「アミロバン」と「ヘリセノン」の2つ。
この2つの活性成分を定量化したものが「アミノセン」であるという。
アミロバンとヘリンセン
ヤマブシタケには脳機能の改善作用があることが知られているが、この薬理作用を発揮する成分がアミロバンとヘリンセンである。
いずれも日本人の科学者によって発見され、作用機序も明らかになっている。
まずは、ヘリンセンが脳機能にどのように働きかけるのか。
認知症の主な原因は脳の神経細胞の死滅である。健全な脳神経細胞はNGFと呼ばれる神経成長因子によって修復や成長がスムーズに行われるが、加齢とともにNGFは減少する。
NGFは直接経口投与しても脳の関門を通過できないため、脳内でNGFが増えることはない。
しかし、ヤマブシタケに含まれるヘリンセンを経口摂取すると、血液を介し脳の関門をダイレクトに通過し、NGFの合成を活性させる。
ヘリンセンは世界で初めてNGFの合成を促進する動物以外の天然由来の活性物質として確認されているという。
アミロイドベータの毒性を抑制
一方、アミロバンの方はどのようなメカニズムで働くのか。
アルツハイマー型認知症患者の脳には老人斑と呼ばれる神経線維の変化が見られる。
これは脳内において、アミロイドベータという異常たんぱく質の蓄積が原因ということがわかっている。
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