オリーブ葉オレアノール酸の機能性
〜食品開発展2017セミナー


2017年10月4日(水)〜6日(金)、東京ビッグサイトで、「食品開発展2017」が開催された。同展示会セミナーより、タマ生化学鰍フ講演「オリーブ葉抽出物オレアノール-55の機能性について」を取り上げる。


オリーブの葉、機能性成分が豊富

オリーブは、紀元前3700年前の遺跡や聖書、ギリシヤ神話などにも登場する非常に長い食経験のあるハーブである。古代より「神の樹」と呼ばれ、儀式などにも使用されていた。

オリーブの主な生産地である地中海沿岸地域やパレスチナあたりでは昔からオリーブの葉を「かじる」という風習があった。

「アラビアのロレンス」という有名な映画のワンシーンでも主人公がオリーブの葉をかじりながら歩いているシーンがある。

地中海沿岸地域の人々に糖尿病罹患者が少ないのは、この風習と関係しているのではないか、との指摘もある。

トリテルペンに抗がん・抗炎症作用など

オリーブの葉は枝から落ちた後も、長く青々と色づいていることから「若さの象徴」とされている。

オリーブの葉には多くのポリフェノール類、例えば水溶性のオレウロペインや脂溶性のオレアノール酸などのトルテルペンが含まれている。

オレアノール酸は、ウルソール酸、ベツリン酸とともに「三大機能性トリテルペン」と呼ばれ、抗がん作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗高脂血症効果などの生理活性があることが報告されている。

エイジングケア向けの皮膚の外用剤や、メタボリックシンドロームの予防関連商材などに利用されている。

オレアノール酸、7つの薬理効果

オレアノール酸はブドウの果実表面に見られる白い粉として知られ、多くの人には農薬やカビと勘違いされやすい。

ブドウの場合は、オレアノール酸が生成され、果皮の表皮をコーティングするような恰好になっている。

これにより病原菌の感染の予防や鮮度保持を行うなど、ワックスのような役目を果たしている。

こうしたオレアノール酸の機能性について、多くの専門家が研究を進めており、現在7つの薬理効果が認められているという。

化粧品素材などにも利用

まずは「肝機能保護作用」。これについては、中国では医薬品と同レベルに扱われ、エビデンスも豊富。摂取したオレアノール酸が肝臓で重金属の解毒を促すことがわかっている。

そして「血糖値上昇抑制作用」。これはオリーブの葉をかじったり、食したりしている人に糖尿病罹患者が少ないことが研究で明らかになってる。

他に「心血管疾患抑制」「抗炎症」「皮膚に対する作用」「抗がん作用」「抗菌作用」などの作用がラット試験や臨床試験で報告されている。

オリーブオイルの健康効果については一定の認知度があるが、オリーブの葉についても今後認知度を高めていくことで、新たな健康素材としての市場を狙える。

すでにオリーブオイルを愛用している人からも受け入れられやすい。また、様々な薬理作用があり、食品以外にも化粧品素材などで利用できるメリットがあるため、今後の商品展開を期待してほしいとした。


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