ヒスチジン、抗疲労成分として注目
「疲労」で悩む人が増えている。とくに若年層や幼児で疲労を強く訴える傾向が強まっているようだ。
疲労の解消には、睡眠や休養が一般的だが、近年は食品による疲労回復のアプローチが知られるようになり、そのメカニズムについても科学的な解明が進んでいる。
機能性表示食品の中でも「抗疲労」商品は人気が高く、抗疲労成分で注目されているのが「ヒスチジン」。
タンパク質の構成成分はアミノ酸で、500種類程度あるアミノ酸の中でもタンパク質の合成に関与しているものは20種類。
この中で9種類が体内で合成できない必須アミノ酸に分類される。
ヒスチジンはアミノ酸の一種で、体内で合成できない必須アミノ酸のため、食品から毎日摂取する必要がある(乳幼児だけでなく成人にも必須)。
ヒスタミン神経疲労仮説
脳内で神経伝達物質として働いている物質にヒスタミンがあるが、睡眠不足やストレス、過度な集中といったことで、脳内のヒスタミン神経が過活動状態になると、ヒスタミンが枯渇し、一時的に減少してしまう。
それに伴い、脳からのさまざまな指令がスムーズにいかなくなり、疲労を感じるようになる。このことは「ヒスタミン神経疲労仮説」として知られている。
ヒスチジンは体内でヒスタミンを合成するヒスタミンの前駆体で、血圧を下げたり、神経機能を補助する役割を果たす。
ヒスチジンを経口摂取すると、すぐに血中に取り込まれ、それが脳内でヒスタミンに合成され、脳の前頭前野へ投射される。
これにより疲労感が減少するというのが、ヒスタミンによる抗疲労のメカニズムである。
ヒスチジンの摂取で作業効率がアップ
実際、ヒスタミンを経口摂取して、疲労感がどのように変化するかのヒト試験の結果も報告されている。
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