菊の花エキス、抗痛風で利用
機能性表示食品として対応可能な新規成分を2つ、オリザ油化(株)が発表した。
1つが「菊の花エキス」。菊の花は刺身のツマにも使われるなど、食用や漢方薬としてよく用いられている。
台湾や中国では日本とは比べられないほど消費されおり、主に菊茶として愛飲されている。
漢方の効能としては目や風邪の諸症状に良いとされている。また、抗痛風作用も知られている。
痛風患者の増加は社会問題となっているが、国内では2013年の時点ですでに100万人を突破し、予備軍ともいえる高尿酸血症者数は1000万人を超えているとされる。
痛風の原因となる尿酸は、生体内の代謝、あるいは食品由来により体内に存在するプリン体が代謝される際、キサンチンオキシターゼ酵素が発生してできる。
尿酸が体外に排出されないで、血清尿酸値が0.7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断され、末梢神経への刺激で激痛が走るようになる。
高尿酸血症の合併症としてメタボリックシンドローム、腎不全、尿路結石などもあり、尿酸値を管理することは非常に重要である。
菊の花のルテオリンに強い抗アレルギー作用
尿酸は一般的に食事由来のプリン体としてビールやワインに多く含まれると思う人も多いが、実はレバーや煮干しなどにも多く含まれる。
また、体内でも80%以上が作られ、プリン体ゼロと表示された食品を選んでいれば安心ということにはならない。
菊の花エキスにはフラボノイド類などの豊富なポリフェノールやビタミンCが含まれる。また、有効成分の「ルテオリン」には強い抗アレルギー作用、抗炎症作用がある。
菊の花エキスの摂取でも、ルテオリン単体の摂取でも、尿酸を作るキサンチンオキシターゼ酵素の活性を阻害する作用があることが報告されている。
実際に、ヒト臨床試験で日本人男性30名に4週間菊の花エキス100mg(ルテオリンとして10mg/day)を摂取してもらうランダム化二重盲検プレセボ対象クロスオーバー試験を行った。
その結果、血中尿酸値が正常高値の被験者(5.5mg/dL以上、7.0mg/dL以下)で、尿酸値が有意に低下したことが報告された。
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