健康食品、現状と今後の市場予測
〜食品開発展2017セミナー


2017年10月4日(水)〜6日(金)、東京ビッグサイトで、「食品開発展2017」が開催された。国内外から食品やサプリメントに利用される注目の素材が一堂に集まり、参加企業がプレゼンテーションや最新動向の講演を行った。同展示会セミナーより、兜x士経済の講演「健康食品市場の最前線2017」を取り上げる。


ヒアルロン酸やコラーゲン、100億円超の市場に

2017年度前半、健康食品市場はどのような動きがあったのか。

また、2018年にはどのような素材が注目されるのか。市場分析を手がける富士経済が最新データと分析結果を次のように報告した。

機能性素材の中でも、ヒアルロン酸やコラーゲンといった知名度の高い素材はそれぞれ100億を超える一大市場となっている。

この市場規模に到達するには健康食品に限らず、医薬品やコスメ、食品といった様々な分野で幅広く利用されていること、安定してリピートされる素材であることが条件となっている。

100億円以上の超メジャー素材を目指しても、実際は50億〜100億円規模にとどまっているものも多い。

例えば、医療・美容の両方でブームを起こしたプラセンタ。ブームは過ぎ、100億円以上の市場規模は容易ではない。

まずは10億〜50億円市場を狙う

健康食品素材の市場規模で最も多いのが10億〜50億円。グルコサミン、リコピン、ウコンなどがこれに該当する。

今後、機能性表示素材や新規素材でヒットを狙うなら、まずは目標を10億〜50億円とし、知名度・市場規模ともにこのゾーンを狙うのが良い。

今後5年で市場が伸びそうな成分としては、疲労回復成分として知られる「イミダゾールペプチド」、血糖値の上昇抑制作用で知られる「サラシア」。

また、腹持ちの良い「ホールフード」又はスーパーフードとして人気上昇中の「チアシード」、日本国外からも注目度の高い「ナットウバイオエキス」などがある。

すでにこれらは10億円規模を突破しているが、現状の市場ニーズとマッチしているため、今後まだまだ伸びそうだ。

ロコモ&関節対策素材の伸びが予測

市場ニーズ別に見ると、105〜120%程度の伸びが予測されるのが「グルコサミン」や「コンドロイチン」といったロコモ&関節対策素材。

また、「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」などの美容訴求素材、「ビルベリー」や「アスタキサンチン」などのアイケア対策素材が引き続き伸びるであろうと予測される。

120〜130%程度の成長が見込めるのが、「DHA」や「EPA」などの生活習慣病対策素材に、「イミダゾールペプチド」や「アルギニン」などの疲労回復素材。

また、「イチョウ葉エキス」や「ホスファチジルセリン」といった脳機能回復系素材もさらに成長しそうだ。

そして、130%以上とまだまだ大きく市場を伸ばすと予測されるのが「ラクトフェリンや機能性乳酸菌」といった整腸や免疫系素材、「ギャバ」や「テアニン」といった睡眠対策&ストレス対策系素材。

新規成分を知名度の高い成分と組み合わせる

消費者1万人に対し機能性素材の知名度について同社でアンケートを行ったところ、20位までが以下のようになった。

上位から順に、コラーゲン、ポリフェノール、ローヤルゼリー、ヒアルロン酸、グルコサミン、プロテイン、大豆イソフラボン、ウコン、カテキン、セサミン、DHA、酵素、リコピン、コエンザイムQ10、コンドロイチン、酵母、エゴマ油、マカ、オルニチン、ユーグレナ。

新規の機能性成分も知名度の高い成分との組み合わせで、ゼロから育てるよりスムーズにヒットを狙えるのではないか、ということが考えられる。

ホールフードに人気が集まる

健康食品&機能性表示食品のトレンドとしては以下のようなことが挙げられる。

1)現状は新規ヒット素材が生まれにくい風潮がある。

健康ブームではあるが、健康情報を発信するバラエティ番組が激減し、コンプライアンスの重視や「健康情報サイト ウエルク」問題などでマスメディアが過剰な報道を避けている。

また、原料メーカーなども研究開発や宣伝広告にかつてのような莫大な資金を投資しなくなっている。

2)成分としては植物由来が人気。DHAやEPAでさえ、植物由来に注目が集まるであろう。また、シャンプーやコスメ、衣類などオールジャンルで利用できるような素材に人気が集まる傾向がある。

3)植物由来に注目が集まる背景には、水産資源不足の問題がある。

4)チアシードやアサイーのブームからわかるように、サプリメントよりホールフードに人気が集まっており、マスメディアの影響が大きい。油もエゴマ油やオメガ3などはサプリメントよりホールフードで摂ることのほうが人気が高くなっている。

5)これからは新規素材、既存素材の全てにおいてヒト臨床試験データやエビデンスの蓄積、データベースの利用が必須となる。

オリンピックの影響でスポーツニュートリションに需要

機能性素材メーカー50社に注目素材をヒアリングした結果、以下のことが分かった。

今後の注目素材では、HMBやペプチド、ホエイプロテイン、植物性プロテイン、高機能タンパク質といった「スポーツニュートリション」がオリンピックに向けて人気が高まりそうである。

またイチョウ葉エキスやプラズマローゲンも脳機能改善のニーズから需要が高くなっている。シールド乳酸菌などの機能性乳酸菌も十分な成長が見込める分野である、とまとめた。


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