北虫草、冬虫夏草を凌ぐ成分で人気
〜ケアメディカル産業展2017セミナー


2017年11月16〜17日、大田区産業プラザPioにて「ケアメディカル産業展2017」が開催された。同展示会セミナーより、劉 亨郎氏(台湾赤十字会 顧問)の講演「北虫草の研究と応用」を取り上げる。


5000種類以上の真菌中草が存在

1999年、日本で北虫草に関する書物『新漢薬 北虫草の凄さ!』が刊行された。その中で、北虫草が冬虫夏草を超える成分を有することが紹介されている。

それまで冬虫夏草と北虫草はほぼイコールと思っていた人たちには衝撃だった。

冬虫夏草も北虫草も「真菌中草」と分類される。昆虫に寄生し、昆虫の体からきのこを生やす菌類で、世界には5000種類以上の真菌中草が存在しているといわれる。

中でも、楊貴妃が愛用していたとされる冬虫夏草は、健康食材として人々に長く食され人気も高い。ここ20年でその価値はさらに高まり、価格が高騰しているため、現在は一般の人々になかなか手に届かない食材となっている。

北虫草、「虫草素」など優れた成分が高含有

一方、北虫草は「サナギタケの冬虫夏草」ともいわれ、成分は冬虫夏草と同じため、近年は冬虫夏草の代用で薬用や健康食品として利用されてきた。

現地では冬虫夏草と北虫草は同じと考えられていた。しかし北虫草の研究が進むにつれ、有効成分の「虫草素」が北虫草の方が含有量が多いことがわかってきた。

「虫草素」とは真菌中草に含まれる成分で、異常な細胞の分裂や成長を抑制、血糖値を低下、免疫を高める、新陳代謝の促進、活性酸素除去、といったさまざまな有効性が報告されている。

また、北虫草は、ビタミンDの前駆体、19種類のアミノ酸や12種類のビタミン、17種類以上のミネラルを含み、スーパー食材として注目されている。

北虫草、冬虫夏草を凌ぐ人気

北虫草の人気が冬虫夏草を凌ぐのは優れた栄養価だけではない。天然の冬虫夏草は生産量に限界がある。また、環境汚染から天然といって必ずしも良質なものではないという懸念も高まっている。

しかも冬虫夏草は人工的に育成することが難しい。一方、北虫草は「固体栽培」という方法により約60日で成熟子実体を育成することができる。

さらに独自のバイオテクノロジー技術で栽培された「IsoGreen北虫草」は、100%植物性であるため、昆虫や動物からの感染症の心配もない。トレーサビリティシステムも確立されており、長期服用や副作用の問題もない。

抗がん、認知症予防などで注目

北虫草の持つ作用の中でも「抗がん作用」については特に注目されている。2017年10月19日に中国科学院がそのメカニズムを発表し、米国の学術雑誌でも報じられ話題になった。

こうした抗がん作用のメカニズムについては冬虫夏草の有効成分の「虫草素」によるものと考えられている。

しかし今回、北虫草には「虫草素」だけでなく、「ペントスタチン」と呼ばれる成分が含まれ、この2つの成分の相乗効果で癌細胞のアポトーシス(死滅)が引き起こされることが明らかになった。

また、台湾政府機関が認証している北虫草の生理作用として「抗炎症・抗酸化・血管新生の阻害によるアンチエイジング効果・認知症予防の効果」がある。

特に、認知症については2008年に「アミロイドβの沈着を減少させ、記憶の低下を遅らせる作用がある」ことが認められているという。

この他、北虫草には、インスリンの分泌を改善、腎機能の強化、肝臓の保護、気道の機能を強化、脂肪細胞の蓄積を軽減、スタミナ増強、精子の量と活動量を増加、免疫調整、血糖値低下、抗紫外線作用でコラーゲン流出を抑制、といったさまざまな作用が報告されているという。

過剰摂取による副作用の報告はない

このように北虫草は、優れた機能性で、高齢化社会のニーズにもマッチしている。

冬虫夏草は天然で高額だが、北虫草は天然由来成分と全く同じ構造にもかかわらずリーズナブルで、添加物や動物性成分も含まれず安全性も高い。

しかも、北虫草は冬虫夏草とは違い、安定的に消費者に届けることができる。

これまでの研究では、北虫草の過剰摂取による副作用の報告はない。また、病気を治療中の人にも安心して併用してもらえることが分かっている。

老化によって起こるさまざまな症状や悩みを包括的にサポートしてくれる北虫草を一人でも多くの人に知って欲しい、とまとめた。



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