トマチジンが筋力や持久力を向上
超高齢社会の健康問題で、骨格筋機能の低下に伴う「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」「フレイル」といった症状に注目が集まっている。
同時に、骨格筋機能を向上させる食品素材やトクホ商品、機能性表示食品へのニーズが高まっている。
中でも、イソフラボン系の成分やブラックジンンジャー、アミノ酸ではロイシンなどが筋肉強化に有効とされている。
こうした一方で、例えばロイシンは高齢者にはあまり効果が見られないのではないかといった報告もある。
コネクティブマップというデータベースを利用して、何か骨格筋を向上させる成分がないかを幅広くスクリーニングした。
その結果、未成熟の青いトマトに含まれる「トマチジン」に筋力や持久力を向上させる働きがあることが分かったと三浦氏。
トマト生産で、50%が廃棄処理
これまでの研究で、トマチジンの筋萎縮抑制作用が報告されており、加齢に伴う筋肉の合成と分解のバランスの崩れが抑制できる可能性が推測されている。
ちなみに、日本のトマト生産で、全体の50%が廃棄処理されている。うち30%は葉で、残りの20%が青トマト。
こうした破棄されるものにどれくらいのトマチジンが含まれているか試算すると、565トンのトマチジンが抽出できる計算になると三浦氏。
しかし、このトマチジンについては未利用資源中では配糖体の「トマチン」として存在しているため、トマチンの有効性や安全性の検討が必要となる。
また、トマトからトマチジン含有エキスを抽出するための方法や効果の検討も行わなければならない。
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