玄米は天然の完全食
天然の完全食と呼ばれている玄米。外皮の米ぬかには、ビタミンやミネラル、食物繊維などの機能性成分が豊富に含まれ、食後の血糖を抑制する低GI食品としても注目を集めている。
また、近年は米ぬかに腸内フローラのバランスを整えるプレバイオティクスとしての働きがあることも明らかにされている。
玄米由来の代表的な機能性成分の一つにγオリザノールがあるが、この成分にも「腸内フローラや脂質異常症の改善」や「糖尿病の予防改善」といった作用が報告されている。
健康寿命を維持するには日々の食事が大事だが、人は動物性脂肪への依存が生じやすい。
特に肥満者は動物性脂肪食の弊害が分かっていても、摂食を止める(あるいは適量にする)のが難しい。
動物性脂肪、麻薬以上の中毒性
こうした動物性脂肪への依存は、肥満だけでなく糖尿病など生活習慣病の最大の原因となる。
ここ数年の研究から、動物性脂肪食への依存は「麻薬以上に麻薬的なアディクション(中毒)を起こす」ことが報告されている。
しかし、2012年に益崎氏らの研究により、動物性脂肪食に対する中毒状態に陥っている人(主に肥満者)でも、主食を玄米に代えるだけで、ジャンクフードや高脂肪食への依存をリセットができることがヒト臨床試験で報告されている。
マウスの実験で、動物性脂肪は脳内において部位特異性を持ち炎症・小胞体ストレス・ゲノム修飾を引き起こすことが明らかになっている。
また、視床下部においては炎症や小胞体ストレスを、報酬系ではエピゲノム変化を起こし、この両面から動物性脂肪に対する依存を形成していることが分かっている。
γオリザノール、脳機能や糖尿病改善で期待
動物性脂肪食で肥満にしたモデルマウスを用いた実験では、γオリザノールが、脳内報酬系に直接働き、DNAメチル基転移酵素活性を抑制するエピゲノム・コントローラーとして機能することで、「満足できない依存脳」を「満足できる脳」に変えることも明らかになっている。
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