超硬質米は、通常食に用いられることはなく、主に米粉などに利用されるが、栄養価は高い。
しかもそのように硬質な米でも高圧処理すると組織に変化が起こり、食べやすくなると大坪氏。
そこで越後製菓株式会社との共同研究で、1000〜4000気圧の高圧処理機を開発し、黒米や超硬質米をこの機械で高圧処理することを試みた。
その結果、いずれの米も抗酸化力とギャバの数値が高まり、米の粘りや硬さも適度なものに自由に調節できることに成功したという。
食後血糖値の上昇抑制やインスリンの分泌抑制
実際、高圧処理した2つの米を混ぜて高齢マウスの飼料にし、12週間飼育した試験を行った。
その結果、プラセボの飼料を食べていた高齢マウスと比較して、高圧処理加工米を食べた高齢マウスは食後血糖値が低くなったり、血中のアミロイドβが優位に低いことが明らかになった。
この加工米には食物繊維であるレジスタントーチも豊富に含まれていることから、抗酸化、ギャバ、レジスタントーチのいずれもが複合的にマウスの血糖値上昇抑制や、アミロイドβの抑制に働きかけたのではないか、と大坪氏。
また、ヒト試験も行い、高圧処理した黒米を配合した玄米ご飯のパック(レンジで加熱するだけで食べられるようにしたもの)を14日間食べてもらった。
その結果、コシヒカリ白米と比較して、食後血糖値の上昇抑制やインスリンの分泌抑制が見られたという。来年の1月からは12週間のヒト長期試験も計画しているという。
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