オクラのブランド化目指す
鹿児島県はオクラ生産量が日本一であり(日本全体の40%)、中でも指宿市は温暖な気候から、鹿児島県産のオクラの8割の生産量を誇る。
現在日本で流通しているオクラの1/3は指宿産であるが、そのことはほとんど知られてない。
指宿市は砂蒸し風呂を中心とした観光産業にも力を入れているが、オクラの生産にも力を入れており、オクラのブランド化、付加価値のあるオクラ産業の発展を目標に掲げているという。
その取り組みの1つがオクラの「IPM農法」である。
体と地球環境に優しいオクラづくりを
IPMとは「総合的害虫・雑草管理」のことで、農薬にできるだけ頼らない減農薬農法のこと。
例えば、てんとう虫などを利用して害虫防除を行う技術である。
害虫を食べる良い虫を使って害虫を駆除するだけでなく、太陽光、風、水、ネットなどをフル活用して適切な栽培管理をすることで、病気になりやすいオクラを病気から守り、農薬の使用を最小限に抑える。
オクラは害虫が付きやすく、病気にもなりやすいため、完全な無農薬は非常に難しいが、少しでも体と地球環境に優しいオクラづくりに力を入れているという。
しかし、オーガニックや有機栽培という言葉が十分に認知されている今、IPM農法だけではオクラの差別化やブランディングにつながらないという現状がある。
廃棄オクラを活用
そうしたことから、今後も減農薬による栽培は続けるが、オクラの持つ「健康素材・健康野菜」のイメージを強化するために取り組んだのが「オクラパウダー」であるという。
指宿市では産学官医及び市民の連携でオクラパウダーを開発。そもそもオクラは、形が悪かったり、色が悪かったりすると、売り物にならない。
市場に出回らない物は、ほとんどが焼却処分され、廃棄オクラの活用が課題になっていた。
そこで通常なら廃棄されてしまう曲がったオクラなどを粉末化して利用できないか、検討を重ね「オクラパウダー」が誕生したという。
このオクラパウダーが他の「ほうれん草」や「青汁」といった青いパウダーとどう違うのか、どのような付加価値があるのか調査を行った。
その結果、オクラパウダーはポリフェノールの含有量が非常に高く、抗酸化作用はトマト、ほうれん草、レモンよりも高いことが分かった。
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