マンゴーにアレルギー抑制作用
菅原氏はオキナワ宮古市場と共同で「マンゴーの抗アレルギー効果」について研究を行っている。
培養細胞試験と動物(マウス)試験、そしてヒト介入試験についても現在研究中で結果は3月末から4月頃に報告できる予定という。
セミナーでは、宮古島で重要な産業となっているマンゴーのアレルギー抑制作用の可能性について最新の知見を報告した。
花粉症などのI型アレルギーで、主に粘膜のトラブルといった症状が出るメカニズムには2つの原因がある。
まずは花粉などの外的刺激が体内のB細胞を刺激することでIgE抗体が増えてしまう。
IgE抗体が顆粒球を刺激し「脱顆粒」を起こすことでヒスタミン等が放出され、これによって粘膜などに症状が生じる。
アレルギーを緩和する2つの方法
つまり、アレルギー症状を緩和させるには2つの方法がある。
1つ目が「脱顆粒を引き起こす原因となる血中のIgE抗体量を抑制させる」こと。2つ目が「脱顆粒そのものを抑制する」こと。
結論からいうと、マンゴーにはIgE産生抑制効果と脱顆粒抑制効果の2つが認められている。
さまざまな植物の抗アレルギー作用について研究を重ねているが、2つの方法で抗アレルギーにアプローチできる素材は珍しい、と菅原氏はいう。
では、マンゴーのIgE産生抑制作用とはどのようなものか。
通常、植物、特にフルーツの抗アレルギー作用を研究すると、果皮か果皮に近い部分にキーとなる物質が存在していることが多い。
そのためマンゴーにおいても、マンゴーの果肉だけでなく果皮の方も研究を行ったという。
IgE産生を抑制
マンゴーは大きく2種類あり、成熟しても果皮は緑がかったままのキーツマンゴーとオレンジ色に熟していくアップルマンゴー(アーウィンシュマンゴー)がある。
いずれも果皮の部分と果肉の部分をエタノールで抽出した「4種類のマンゴーエタノール抽出物」を作成し、それぞれ培養細胞(U266細胞=IgEを産生するヒト細胞)に24時間培養し、培養液中に分泌されたIgE量を測定した。
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