パロアッスル、血糖コントロールや抗肥満作用〜第36回「健康博覧会」セミナー

2018年1月31日(水)〜2月2日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて第36回「健康博覧会」が開催された。同展示会セミナーより、 蟹HMの講演「燃焼系ハーブ:パロアッスルの美容と健康に関与する二大作用」を取り上げる。


「最も貴重」とされる位置付け

株式会社IHMでは日本で唯一、パロアッスルを輸入販売している。

パロアッスルとは、南米のパラグアイに自生するハーブである。パラグアイは大自然のままの環境が残っていて、ハーブの宝庫でもある。

パロアッスルはパラグアイの中でもチャコ地方という限られた地方にのみ自生し、非常に稀少性が高く、現地では伝承的に煮出し茶として飲用されている。

チャコ地方はパラグアイの中でも寒暖の差、雨季と乾季の差が激しく、土壌に含まれるミネラル濃度も濃い。

そのため、自生できる植物も限られているが、パロアッスルはそのような過酷な環境の中でも花を咲かすことができ、ハーブランクでも「最も貴重」とされるレベルに位置付けられている。

パロアッスルが採取される現地には、ピューマやジャガーといった野生動物も生息しているため、人は住んでおらず、農薬や汚染等とも無縁な環境である。

血糖値の上昇抑制などが報告

IHM社では伐採地域を限定し、ロットごとにトレーサビリティの確保や十分な安全検査を行い、採取したパロアッスルは乾燥粉末にして日本に輸入しているという。

1995年から日本にパロアッスルが入ってきており、これまでに国内のさまざまな研究機関やクリニックなどと共同研究を行っている。

パロアッスルには「セスキテルペン5種類」「トリテルペン」「オレアノール酸」「ウルソール酸」「クマリン誘導体」「ミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム)」などが主な成分として含まれている事が明らかになっている。

お茶として加工した場合はノンカロリー、ノンカフェインである。

またパロアッスルを摂取することで、血糖値の上昇抑制、体重の減少、善玉コレステロールが増加し悪玉コレステロールが上昇、といった作用が多数寄せられている。

どのようなメカニズムでこれらが起こっているのか、作用メカニズムを解明するべく、大学機関を中心に現在も多数の共同研究を進めているという。

抗肥満作用やインスリン抵抗性改善作用

パロアッスルの作用の中でも注目されているのが、抗肥満とインスリン抵抗性改善で、今回、千葉大学大学院との共同研究で解明されたメカニズムについて解説した。

パロアッスルを摂取すると、体内で脂肪燃焼作用のある褐色脂肪組織のPPARγといわれるたんぱく質が上昇する。

これにより超善玉ホルモンといわれるアディポネクチンや細胞核内のUCP1が発現し、これらの物質が脂肪細胞の燃焼をサポートすることが明らかとなっている。

パロアッスルを摂取することで、AMPKという酵素が活性し、インスリンとは別の経路で血液中の糖を細胞に取り込み、これが血糖コントロールになる。

ちなみに糖尿病の運動療法も運動をすることでAMPKを活性化させ、血液中の糖を臓器に取り込むという手法である。

パロアッスル、血糖コントロール

パロアッスルを摂取することは、運動療法と同じようなメカニズムで血糖をコントロールすることに役立つと言い換えられる。

100歳以上の健康長寿の人の血液に多くあるといわれるホルモン「アディポネクチン(別名長寿ホルモン)」も、パロアッスルを2か月摂取することで増加することが報告されている。

アディポネクチンは、血管を修復、糖を利用、脂肪を燃焼、血管を拡張、といった働きをする。

そのため、動脈硬化、糖尿病、高脂血症、高血圧といった生活習慣病予防に不可欠な物質とされ、ここ数年特に注目されている。

アディポネクチンを増やす、分泌させることが生活習慣病の予防や健康長寿、アンチエイジングには重要と考えられるようになっているが、パロアッスルはまさにそれを実現してくれるハーブといえる。

パロアッスルの摂取により、血糖値コントロール、脂肪燃焼、体重減少、動脈硬化の改善、血糖の改善といった成果もヒト試験で確認済みである。

パロアッスルはパウダーもあるため、お茶だけでなく、サプリメントやゼリーなどに添加する形でも利用できる。

加齢に伴い、生じやすい症状を体質改善しながら緩和してくれるパロアッスルはまさに今の時代が求めている素材といえるとした。


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