ぶどう種子エキス、変形膝関節症に抗炎症作用〜ifia JAPAN2018セミナー

2018年5月16日(水)〜18日(金)、東京ビッグサイトにてifia JAPAN2018「第23回国際食品素材/添加物展・会議と第16回ヘルスフードエキスポ」が同時開催された。同展示会セミナーよりサンブライトの「南フランス産オリーブ果実エキス&ぶどう種子エキス OPCOR関節抗炎症素材〜グルコサミンに対する優位性」を取り上げる。


オリーブ果汁、貴重なポリフェノール類が豊富

オリーブオイルの健康作用についてはよく知られているが、実はオリーブオイルを作る過程で搾汁されるオリーブ果汁にも貴重なポリフェノール類が豊富に含まれている。

このポリフェノールは「ヒドロキシチロソール」と呼ばれる物質で、ビタミンCの10倍もの抗酸化作用を持ち、抗炎症、抗酸化、血中の酸化抑制などの作用があることが欧州の食品安全員会(EFSA)でも認められている。

このオリーブ果汁の製品化に成功したものがフランスのGrgap'sud(グラップスプッド)社によって生産される「Olivex-HT6」である。

変形膝関節症、有意に炎症が改善

Grgap'sud社は南フランス・ラングドック地方のオリーブ果実ポリフェノール製造企業として欧州ではよく知られている。

同社ではオリーブポリフェノールの抗炎症作用について長年研究を進めてきたが、「Olivex-HT6」に、同じく抗炎症作用の強いブドウ種子ポリフェノールを配合した「OleoGrape-SEED」を新たに開発。

この「OleoGrape-SEED」には2つのポリフェノールの相乗効果で非常に高い抗炎症作用が認められたという。

実際に、関節に痛みや腫れが生じる変形膝関節症についての抗炎症作用を試験管試験とウサギの動物試験で、変形膝関節症を発症した人関節難骨細胞に「OleoGrape-SEED」を添加したところ、コントロール群に対して有意に炎症が改善したことが報告された。

またウサギの関節軟骨細胞でも炎症を促進する物質の発生が抑えられ、骨棘の発生が見られない、といった有効性が示されたという。

軟骨の保護にも優位性

変形膝関節症は、骨と骨の間にある軟骨がすり減り、摩擦が生じて炎症が起き、痛みや腫れが生じるもので、日本では1000万人〜3000万人の罹患者がいることが知られている。

欧米でも多くの人々が悩まされているが、症状が発症してしまうとなかなか改善せず、根本的な治療法もないため予防に力を入れるべき、とされている。

そのため、「OleoGrape-SEED」の有効性のエビデンスがもっと蓄積すれば、多くの人々の健康に役立つのではないか、という。

なぜ、「OleoGrape-SEED」が変形膝関節痛に効果的なのか、そのメカニズムについては、痛みを発症させる一酸化窒素のNOを抑制する働きや、炎症を起こす脂質PGEの生産を強く抑制するため、と考えられている。

痛みを抑制するだけでなく、軟骨の保護にも優位性があることや、グルコサミンよりも炎症抑制作用が強いことなども解明されつつある。

また植物由来の成分で細胞毒性試験でも安全性が高く確認されているという。


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