中国政府が重点保護植物に指定
今から20年以上前に「ラカント」として羅漢果(ラカンカ)抽出物の甘味料を商品化し、販売スタートしたサラヤ株式会社。現在も「ラカント」はサラヤの主力商品の一つであるという。
ラカントの特徴は「自然派甘味料」「カロリーゼロ」「砂糖不使用」「糖質ゼロ」「糖質ゼロ」であるが、発売当初は糖尿病患者などの人向けの「特別用途食品」で、消費者ニーズがあるのか不安な面もあったという。
羅漢果とは中国でのみ栽培されるウリ科の多年性ツル植物で、年間降雨量の多い高地を好み、環境条件の揃った土地でしか育たない貴重な植物である。
しかも中国政府が重点保護植物に指定しているため、中国以外では栽培することができない。
当然、種や生の果実も国外には持ち出せない。中国では漢方としても利用されており、主に「去痰作用」や「健胃作用」が知られているという。
一般の糖類として販売
現在、サラヤ鰍ナは契約農家に農薬不使用で原料の羅漢果を栽培してもらい、また加工は中国の桂林にある自社工場で製造工程の全てを完全管理することで安全性を確保して商品を生産しているという。
「特別用途食品」としてスタートした「ラカント」だが、現在はそのカテゴリーから外れ、一般の糖類として販売されている。
ラカントは砂糖に比べ保水性がないため、ケーキやお菓子の使用にはパサパサした仕上がりになってしまうため適さないとされてきた。
しかし、それを解消するために改良品「ラカントスイートパウダー」や生クリームなどにも使用できる「ラカントホワイト」で、顧客ニーズに応え、商品ラインナップを増やしているという。
「カロリーカット」から「糖質カット」へ
そしてここ数年は、「糖質対策」のニーズを叶える「新たな糖」として再注目されているという。
例えば、アメリカの飲料協会は、飲料から摂取するカロリーを2025年までに20%削減する目標を決めている。
アメリカの健康の課題といえば「肥満」と「糖尿病」だが、やはり飲料から摂取している糖分の量が多すぎるため、まずはそこからカットしていこうという試みだ。
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