ただし、脂質酸化に関連するβ-HAD活性のみ黒酢摂取トレーニング群が対照群に比較して有意に上昇したという。
血中乳酸濃度で有意差
一方、オスのマウスによる試験では若干異なる結果が得られたという。3週間高脂肪食を摂取させ、黒酢(200mg/kg)または水を投与した条件で、持久的トレーニング(投与30分後に25m/minで30分間走)を週5回行わせた。
メスの時より運動量を減らし、トレーニング終了後24時間後に組織を採取、対照群(何も運動させずに水の経口投与のみ)と比較した。
その結果、各群の体重には有意差が見られず、脂肪量についても黒酢の影響は見られなかったが、トレーニング直後における血中乳酸濃度が黒酢摂取群で有意差が認められたという。
運動前の黒酢摂取、脂質代謝が亢進
まとめると、メスの場合は黒酢+持久的運動で筋の脂肪酸活性が上昇し、オス場合は黒酢とやや短い持久的トレーニングで内臓脂肪が少なくなる傾向があった。
また運動直後の血中乳酸濃度も水を摂取した群より黒酢摂取群のほうが低下する傾向があり、これは運動時に脂質代謝が亢進することで、糖代謝が低下している可能性が考えられる。
つまり運動前に黒酢を摂取することで、運動時、運動直後の脂質代謝が亢進する可能性がある、という。
さらにこの結果について、黒酢に含まれるアミノ酸の影響だけでなく、他の基質、特に糖関連の中間代謝基質による影響を考えることができる、と八田氏。
今後、脂質代謝への影響をさらに詳しく検討したり、黒酢投与量を増やしたりすることで、黒酢と運動の相乗効果の可能性をさらに検討したい、とした。
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