また、事前に届出書類の不備がないかのチェックやレビュー作成のサポートなども行っているという(料金は別途)。
消費者庁に届けられる最初の届出資料のほとんどがケアレスミスによる不備で、これを業界団体が事前に点検してくれれば、出し戻しの回数や期間を短縮することが可能となる。
また、すでに届出が好評価された食品で同一性を失わない程度の変更が行われた食品(フレーバ違いなど)の届出の申請も簡便化されることも認められている。
つい先日バージョンアップしたガイドラインでは、新たに糖質「キシリトール、エリスリトール、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖」が対象成分として認められ、糖類も「L-アラビノース、パラチノース、ラクチュロース」が認められた。
またここに来て生鮮食品の届出受理も増えており、すでに、もやし、みかん、精米、カンパチが受理されているが、最近認められたりんごが秋には発売になる。
軽病者の取り扱いを検討
現在、事業者から寄せられている課題が「軽病者」、特にアレルギー、尿酸、認知機能については「軽病者」の取り扱い範囲を拡大したい、というものである。
これについては消費者庁が日本健康・栄養食品協会に委託し、平成31年3月末までに軽病者データの取り扱いの追加について検討するよう調査を行っているという。
他にも制度の改善などに関する要望事項については随時業界団体などから寄せられるものについて対応し、制度のブラッシュアップを図っている。
万博開催で経済効果が狙える
この制度がより良い形で活用され人々の健康維持増進に利用されれば、高齢化の問題を抱える他の国にとっても良い手本となる。また、日本の健康食品が輸出産業としてさらに拡大する可能性が十分にあることも期待できる、と森下氏。
2025年に開催予定の万博に大阪が名乗りを上げており、今年の11月に開催地が決定するが、そのプロモーションでも「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」をスローガンに掲げている。
万博開催が決定すれば、オリンピックよりも経済効果が狙える。政府、事業者、消費者が一体となって機能性表示食品制度を育て、健康維持増進と新産業の創設に力を合わせて取り組むことが理想であり、この制度がその先駆けになり得る、とまとめた。
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