帯津良一氏(帯津三敬病院名誉院長)は、「ホリスティック医学におけるバイオブランの役割(バイオブランの臨床例)」と題して講演。
「ホリスティック医学は、からだ、こころ、いのちが一体となった人間まるごとをとらえる医学である。バイオブランは免疫療法の一角を占め、最後の仕上げの役割を果たす」とし、バイオブランを含めた、ホリスティック医学の臨床例を示した。
薬剤との相互作用は見られない
voluntary Associate Professor氏(米国Miami大学)は、「健常者および慢性疾患患者に対するバイオブランの免疫調節および抗老化作用」と題して講演。
マイアミ大学ミラー医学部では、過去10年間にわたる様々な集団におけるバイオブランの免疫調節作用を評価しているが、今回、1)健常成人、2)HIVに感染している成人、3)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を有する成人を対象に、バイオブランによる臨床試験を行った。
その結果、バイオブランが短期間(6ヵ月)で強力な免疫調節物質としての機能を発揮し、患者のレポート、肝酵素、腎機能検査のいずれにおいても薬剤との相互作用や副作用が見られないことが明らかになった。
こうしたことから、炎症関連疾患を予防したい健常者、および老化が加速しがちな慢性疾患を有する人にとって、バイオブランの免疫調節および抗老化作用は有望であることが示唆された、とした。
転移性大腸腫瘍が消退
野口勇人氏(田町アイシークリニック院長)は、「バイオブラン含有サプリメントと同種白血球輪注療法の併用により転移性大腸腫瘍が消退し人工肛門造設術を回避できた卵巣癌の症例」と題して講演。
左卵巣癌が原発の転移性大腸腫瘍に罹患した40代の女性が、担当医から「人工肛門になる」といわれていたが、バイオブラン含有サプリメントと同院で施行した同種白血球輸注療法との併用により転移性大腸腫瘍が消退したと報告。
担当医のもとで試験開腹したところ、左卵巣癌は上腹部および直腸まで転移している可能性が示唆された。
問診上、マグネシウム製剤とセンノシド服用が欠かせないほどの便秘、ならびに腹部を中心とした冷え性、体温の低下、動物とハウスダストに対するアレルギー体質であることが発覚。
また、免疫検査上はナチュラルキラー細胞活性の著しい低下とリンパ球の割合の低下が明らかとなった。
同院で、食事の見直しを中心とした生活指導、同種から分離した白血球輸注を約2週毎に施行、1包あたり0.29のバイオブランを含有したサプリメントの1日1包摂取を推奨した。
抗癌剤を開始してから便秘が悪化。腹痛および腹部膨満、食思不振を伴うようになったため、バイオブラン含有サプリメントを1日1包から2包に増量した。
その結果、2週間後には便秘が解消され、腹部膨満も改善。腹痛も軽減した。さらにその2週間後、センノシドを服用せずとも毎日1回、排便がみられるようになり、その1か月後には食欲が回復した。
以上のサポート開始から4か月後、術前の大腸内視鏡での生検上、悪性所見なし。手術したのは子宮と卵巣のみで、担当医は転移性大腸腫瘍の消退を認め、人工肛門は造設されなかった、とした。
有害な副作用がなく安全
Fred Pescatore氏(米国Medical Director,Medicine 369)は、「臨床におけるバイオブランの効果」と題して講演。
「バイオブランはナチュラルキラー(NK)細胞を活性化することが臨床試験で明らかにされている。免疫系に作用し、日常的に我々の健康を守る際に、疾病・疾患に対する防護の第一線である身体の必要不可欠な部分に働きかけている」とした。
また、バイオブランはインターフエロンやインターロイキンのようなサイトカインの体内における自然産生を助ける。TおよびB細胞リンパ球とナチュラルキラー細胞も活性化する。
バイオブランは、有害な副作用がなく安全であることが、基礎試験と臨床試験の両方で明らかにされている、とした。
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