そんな中、ニチニチ製薬では乳酸菌の中でもエンテロコッカス・フェカリスFK-23(以下、FK-23菌)の機能性に注目しているという。
加熱処理したFK-23菌、免疫細胞を活性
乳酸菌は「生きたまま届く」ことが良いと思われがちだが、加熱殺菌したものには別の役割がある。FK-23菌も加熱殺菌処理をすることで、腸内に届くと善玉菌の優れた餌となり、腸内改善に役立つという。
さらにFK-23菌は免疫細胞であるマクロファージに刺激を与え、マクロファージを活性することでTNFという免疫細胞(病原菌を貪食する細胞)の分泌を亢進させる機能がある。
さまざまな乳酸菌とFK-23菌を比較したところ、加熱処理したFK-23菌が最も免疫細胞を活性する力が高いことを確認しているという。
実際、免疫力が心配なアスリートにFK-23菌の摂取を試験的に行ってもらったところ、ヘルペスに対する効果、風邪をひきにくくなったという体感、花粉症の中でもくしゃみと鼻水に対する効果が報告されている。
またラットの試験では喘息の緩和、コレステロール値の低下なども報告されているという。
1日あたり1兆個の乳酸菌が必要
アスリートは医薬品を摂取することが難しい場合が多い。そのため、できれば日頃の食事でコンディションを整えることが望ましい。腸内で善玉菌が優勢な状態を維持しておくことは、免疫力を維持することであり、感染症予防にも効果的といえる。
東大の研究によると、「乳酸菌で免疫力を高める、あるいは維持するには1日あたり1兆個の乳酸菌が必要」とされるため、食品からの摂取だけでは現実的とはいえない。
乳酸菌サプリメントの活用はアスリートにこそ欠かせない。不快な症状を極力避けて、いつも通りのパフォーマンスができることを望むアスリートにとって、乳酸菌の中でもFK-23菌は心強い味方になるのではないか、とまとめた。
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