鯖缶はすでにメディアの影響で品薄状態が続いているが、「鯖缶=ダイエット」だけでなく「鯖缶=アンチエイジング」「鯖=アンチエイジング」のイメージで、新たな鯖のブームが起こるかもしれない。
岩手で水揚げされた鯖は他の都道府県に送られることが多いが、岩手県内で加工されることも多い。もちろん鯖缶も製造されており、加工する際には残渣が大量に出る。
この鯖缶を作る際の残渣からセレノネインを抽出・加工することで健康食品に応用できれば、岩手県産の鯖がブランド化するのではないか。
これを復興支援に役立てることができるのではないか。この考えを基に商品開発が進められている、と上田氏。
セレノネイン、機能性の評価試験も完了
来年秋には陸前高田にセレノネイン加工工場が誕生する目処が立っており、すでに鯖から残渣を効率的に抽出したり、内臓からエキスを効率的に抽出する機械の開発と導入が完了している。
セレノネインの粉末やエキスを製造する下地はできており、後は量産や安定供給のための準備や、製造された粉末やエキスを健康食品などへ応用していくステップに入っている段階だという。
また、セレノネインの安全性試験や重金属のチェックなども問題なく完了し、機能性の評価試験も終わったという。
セレノネイン、健康食品として販売
この秋には鯖缶の残渣を利用したセレノネインの健康食品が販売される目処が立っているが、来年度は大規模製造に転換し、ある程度のロット数で生産を展開していく予定だ。
またサプリメントや健康食品の形での最終商品を開発し、販売するところまでしたいという。
これにより、岩手の水産業の復興や養殖魚の品質アップ、残渣の価値を高めることや、岩手の鯖のブランド化などにつながることを期待したいとした。
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