その結果、H61株を食べているマウスの骨密度の低下が著しく抑制され、H61株に骨密度の減少を抑える効果が見られたという。
肌の水分量など老化を抑制
他にも、H61株の摂取で「毛艶」「脱毛」「海洋」「目の周りの腫れ」などにおける老化スコアが低下し、見た目の老化抑制効果も見られたという。
面白い点として、骨量が増える成長期のマウスに投与しても、骨密度への影響はほとんど見られず、骨密度が減少する老齢期に摂取した方が効果的であったという。
これらの試験結果を用いてヒト試験も行った。ヒトにおける老化の指標を決定することは難しいため、「肌の水分量」で測定した。
2010年2月、4週間、20〜60代の女性33名に対を2グループに分け、プラセボ群とH61株に分けて試験期間中毎日摂取してもらった。
その結果、50〜60代の女性においてはH61株を摂取していたグループは肌の水分量を有意に維持することができたという。
「脱毛・骨密度・加齢性難聴」など老化現象を抑制
さらにこれを製品化したヨーグルトでも同様の試験を行った。その結果、H61株の入ったヨーグルトを摂取した人は、肌のハリ・キメ・くすみに対し、有意に改善したことを報告したという。
つまり、「実感できる」というのがこのH61株の優れた点で、商品にするとリピートにつながりやすい。
またH61株には「加齢性難聴」の予防効果の研究報告もあり、まさに「アンチエイジング」に最適な菌株の一つといえるのではないか、という。
まとめとして、乳酸菌H61株は製品化されたものはまだ多くはないが「脱毛・骨密度・加齢性難聴」といった老化現象を抑制する作用がマウスで報告されている。また、ヒト試験でも「肌の水分量の維持増加」が報告されている。
さらに生菌・死菌にかかわらずいずれの効果が確認されており、老化が始まってからの摂取の方が効果を体感できる、「間に合う」乳酸菌であるというのをPRポイントにできるという。
農研ではH61株以外にも乳酸菌ライブラリを活用してもらうことで、産官学が連携し、新たな機能性の解明や商品開発などにつながることを期待しているとした。
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