若い人の果物離れが著しい
また、糖質制限のブームの影で「ごはん」と同様に嫌われているのが「果物」ではないか、と伊達氏は指摘。
これについて森川氏は「果物はビタミン、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維も摂れるので、むしろしっかり摂ってほしい、目安としては1日で片手に乗るくらいの量は食べるべき」とした。
須賀谷氏も「食材の"旬"を感じられるのが果物。果糖は血糖値をそれほど上げないし、摂る時間を午前中から夕方のおやつくらいまでにするなどすれば、むしろ摂取した方が良い」と答えた。
伊達氏も「糖尿病の人が果物を制限するのはわかるが、果物の消費量は米と同様に低下していて、特に若い人の果物離れが著しい。果物も米と同様恐れる必要はない」とした。
和食なら、糖質制限の必要はない
糖質制限ブームが続いているため「どうしても糖質制限をしたい、指導してほしい」というクライアントが3人の元へ後を絶たないという。
伊達氏の場合、「明らかに食べ過ぎている人で、しかも糖質=スイーツ=砂糖を摂り過ぎている人には、3日間の糖質制限を勧めることがある」という。
また、「3日であれば耐えられる範囲であり、また脳への影響もなく、その後の栄養指導でリカバーできる、3日だと水分が抜けるだけだが、体重が確実に減るため、患者さんのやる気を高めるのにはちょうどいい」という。
須賀谷氏も「お客様のほとんどが、一生糖質制限ができるわけではないので基本的には勧めないが、確かに結果が出やすいので、少しだけ制限をしてもらうことで、結果が出れば糖質への依存や優先順位が減ることが多い」と答えた。
森川氏は「甘いもののおやつを食べる時に、水分を摂っていない人、お皿に盛り付けないで袋食いする人が多く、心のご褒美になっていないため、満足できずに量を食べて依存になるケースが多いのでは」と指摘。
一般の人が闇雲に糖質制限を行うのは非常に危険で続かないことが多い。そのため、「就寝前の最後の食事から糖質を減らす」「主食の質を変える」「足りないものを補う」「水分をしっかりとる」ことが何よりも大事であると伊達氏。
またそもそも「糖質制限」とは「痩せなければいけない人=病人」の食事療法であり、BMI値が20前後の「痩せたい人」の食事方法ではない、と解説。
これから東京オリンピックを迎えるにあたり、和食でのおもてなしや健康づくりが世界から注目されている。糖質制限の観点から考えても和食は優れている、和食を中心にした献立を考えれば、糖質を制限する必要はほとんどない、とまとめた。
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