オリーブ葉エキス、肌の潤いなどアンチエイジングでニーズ〜食品開発展2018セミナー

2018年10月3日(水)〜5日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて「食品開発展2018」が開催された。同展示会セミナーより、オーロピュア・ライフサイエンス社の講演「世界のサプリメント市場報告と日本への潮流」を取り上げる。


天然素材を世界各国に提供

オーロピュア・ライフサイエンス社は、健康食品や化粧品の天然抽出物原料の製造・販売をしており、中国の湖南省に工場を持つ。

同社は、「天然」にこだわり、原料製造では水とエタノール以外は使用しない。工場のクリーンルームは日本の「クラス5」と同レベルで、国際規格であるISO9001、HACCP、FSSC、Organic認証、HalalやKosherの認証も受け、安心安全な天然素材を世界各国に提供しているという。

意外と知られていないことだが、サプリメント先進国であるアメリカは、その原料の多くを中国から輸入しているという。オーロピュア社も米国への原料提供の実績があり、その経験から米国で今注目されているサプリメントの最新素材について解説。

米国で特に人気のある成分として「オリーブ葉エキス」と「セロリシードエキス」を紹介した。

オリーブの葉に多くの生理活性物質

オリーブは植物油の女王として油や食品として多くの国で利用されているが、葉の活用については長い間ほとんど無視されてきた。

しかし近年の研究ではオリーブの葉にこそ多くの生理活性物質が含まれていることや、オリーブオイルよりも抗酸化作用が高いことなどが解明され、高く注目されている。

特にオリーブ葉エキスの主要成分である「オレウロペイン」に存在するセコイリドイド配糖体に優れた機能性があることが解明されている。

中国でオリーブが栽培されていることはあまり知られていないが、実は1960年代にアルバニアから持ち込まれて栽培が行われるようになった。

オーロピュア社も乾燥が激しく寒暖差の激しい甘粛省(中国でも内陸に位置)で、完全無農薬でオリーブを育てているという。

オリーブの植樹や栽培は甘粛省の環境保全にも役立っており、同省で栽培されたオリーブの葉をエキスやパウダー状に加工し、サプリメント成分として輸出。米国ではオレウロペインを1日90〜180mg摂取できるようなサプリメトが製品として流通されている。

これを摂取することにより、免疫強化、血糖値上昇抑制、血圧対策、慢性疲労の軽減などが報告されているという。

米国、原料から残留農薬が全く検出されないものを要求

「セロリシード」は、野生のセロリの種子で、野菜として食べられるセロリと同じセリ科の別種である。オーストラリアでは伝統的に関節炎やリウマチ、痛風の症状の緩和に使用されてきた歴史がある。

中国でもウイグル少数民族の伝統医学で高血圧症やリウマチ、腎臓疾患の治療に使用されており、近年の研究では心疾患への活用やコレステロール低下などの効果も報告されているという。

米国では「血流促進」や「関節痛の緩和」といった表示が許可されており、1日150mg程度の摂取でこれらの効果が得られるという。

他にも、米国では便通効果が期待できカフェインフリーの「タンポポ茶」や、滋養強壮に優れた「人参エキス」などの成分に人気が集まっているという。

理由としては、「オーガニック・ホールフード・無農薬」といったキーワードが全面に打ち出せるためだ。ちなみに中国から米国に原料を輸出する際、米国のFDA(アメリカ食品医薬局)やEPA(環境保護省)は、原料から残留農薬が全く検出されないレベルのもの(=0レベル)を要求してくるという。

そのため栽培段階で極力無農薬で育てること、あるいは農薬が完全に除去される機械で成分をクリーンにした状態でないと、原料や製品を輸出することは難しく、このニーズに応えるためにオーラピュア社も農薬除去の独自技術開発や無農薬による栽培などに力を入れているという。

オリーブ葉エキス、肌の潤い改善などが報告

日本では、まだオリーブ葉エキスやセロリシードはあまり知られていない。しかし、アメリカに輸出できるレベルの高品質な原料であり、中国からの原料輸入であれば、コストパフォーマンスは圧倒的によいため、新たな抗酸化成分、アンチエイジング成分として広めていけるのではないか、とオーロピュア社は期待を寄せる。

オリーブ葉エキスについては、日本で「肌」への効果を検証するヒトモニター試験を行っている。10名以下の小規模試験だが、1日300mgオリーブパウダーエキスの経口摂取(1〜3か月)で、毛穴の目立ちや潤いの改善、ハリ感のUPなどが報告されているという。

オリーブ葉エキスの有効成分であるオレウロペインは、生体内で分解され、ヒドロキシチロソールという成分に変わり、これがさらに体内に長く留まって抗酸化作用を発揮するといったメカニズムも解明されてきている。

日本ではアンチエイジング素材への期待と関心が常に高い。オリーブ葉エキスもセロリシードもそうしたニーズに十分にマッチする成分であるため、今後の普及が期待されるとした。


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