医薬品としての実績
「日常生活により生じる一過性の心的疲労感を軽減したい人に」と表示されている、カネカの機能性表示食品「還元型コエンザイムQ10」。
同品は「しっかりと体感できる素材」として注目されているという。
そもそもコエンザイムQ10(以下COQ10)とは、生き物全ての細胞に存在する脂溶性ビタミン様分子のこと。
1957年に牛の心臓のミトコンドリアから発見・分離され、日本国内では1974年に「うっ血性心不全の治療補助薬」として世界に先駆けて医薬品としての実績を積んだ。
さらに国内では2001年に食品に配合することが認められ、サプリメント成分として一気に知名度を上げていった。
還元型COQ10こそが機能を発揮
COQ10は生命維持に不可欠な成分で、体内でも合成されるが、加齢とともに合成量が減る。20歳の時のCOQ10の体内存在量を100%とすると、80歳では40%まで減少する。
減少の理由は食事からの摂取が減ることと体内での合成量が減ることの2つ。体内の合成量を増やすことは難しいが、口からの摂取はサプリメントなどで補うことが可能である。
COQ10は、サプリメントとしては知名度が高いが、多くが「酸化型」であるのに対し、カネカの製品は「還元型」である。
COQ10が発見された当初は、体内では「酸化型」が多く存在すると考えられていた。しかし、近年の研究で体内では大半が「還元型」で存在し、還元型の状態こそが機能を発揮することが解明されている。
酸化型COQ10を摂取しても一度体内で「還元型」に変換される必要があるため、COQ10サプリメントを選ぶのであれば「還元型」にすべき、という考えが少しずつ認知されるようになってきている。
還元型COQ10、サーチュイン遺伝子を活性
還元型COQ10であれば、体内で変換する必要がないため、速やかに体内に吸収され効果を体感しやすい。ただ、COQ10は体内合成される量も加齢とともに減少し、還元力も衰えていく。
つまり、酸化型を飲んでも還元されなければ、体内ではうまく働くことができず、無駄になることが考えられる。
体内での還元型COQ10は細胞の中のミトコンドリアで合成されている。ミトコンドリアが元気であれば、COQ10がしっかり合成され、エネルギーの生産も追いつくが、ミトコンドリアを活性するには「サーチュイン」という遺伝子を活性する必要がある。
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