例えば、主原料以外の記載順序の間違いや栄養成分の強調表示があるにも関わらず栄養表示値が記載されていないといった単純な表記のミスであれば、「表示内容の修正」で済む。
パッケージを変えることになるので、数千万円規模の出費になるかもしれない。が、起こりうる損失としては一番リカバーできるところ、と河合氏。
「詐欺」と思われるケース
一方、「ノンオイル」の表記がありながらも脂質の基準値を満たしていないといったミスの場合、商品特徴を削除するか、商品のレシピを変えるか、何れにせよ販売計画を根底から変えることになり、大掛かりな損失となる。
また「名称」の不一致や変更などによって、使用基準を超えた添加物量が含まれているといった確認ミスを起こしたまま販売した場合は、販売が不可になり、自主回収を迫られる。
そして最も避けたいミスが「〇〇産」と強調しながら異なる産地の原料を使用していた場合や、「健康に良い」といった曖昧な表記をして合理的根拠がない場合、措置命令や報道、謝罪広告といった対応に追い込まれるパターンだ。
これは消費者にとって「ミス」ではなく「詐欺」と思われるケースもあり、大きく信頼を失い、損失も大きい。
また、アレルギー表示のミスをして健康被害を出してしまった場合も、なかなかリカバーが難しい。
消費者は、「原料原産地表示」に強い関心
このように表示ミスによって生じる損失をあらかじめ想定しておくと、強調表示によるミスとアレルギー表示によるミスだけは絶対に避けるべきであることが社内で共有できるのではないか。
また、食品表示の中でも、消費者は原材料や含有材料の配合量より、「原料原産地表示」に強い関心を持っている。そのため、ここも正しい表示を心がけてほしい、と河合氏。
チェックポイントとしては、対象原材料が適切であるか、対象原材料が本当に○○産・○○製造と表示できるか、表示の根拠が合理的かどうか、を必ず確認すべきだという。
根拠資料については農水省のホームページでも詳しいマニュアルを確認できるようになっている。それを確認し「原料原産地表示」においても「表示と実際の商品が対応しているかどうか」を正確に確認してほしいとまとめた。
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