桜の花エキス&ブロッコリースプラウトエキス、抗糖化で肌質アップ〜第24回ifia JAPANセミナー

2019年5月22日(水)〜24日(金)、東京ビッグサイトにて「第24回ifia JAPAN(国際食品素材/添加物展・会議)」が開催された。同展示会セミナーよりオリザ油化鰍フ講演「桜の花エキス&ブロッコリースプラウトエキス、肌の老化やくすみをストップ!抗糖化素材」を取り上げる。


肌のハリ低下やくすみの原因に「糖化」

オリザ油化鰍ヘ天然植物資源により、人々の健康に貢献する機能性素材やエキスの開発を行っている。

今回は女性の肌の悩みの上位を占める「くすみ」に効果的な2つの植物由来エキスを紹介。

実年齢よりも肌の老化が進んでいるように見える原因に「ハリの低下」と「くすみ」がある。ハリの低下はたるみやしわの原因になり、くすみはシミの原因にもなり、肌を疲れて見せる。

「ハリの低下」や「くすみ」については、これまでは「血行不良」「ターンオーバーの乱れ」「紫外線」「乾燥」などが主要な原因と考えられてきた。しかし、ここ数年で「糖化」と「カルボニル化」が最たる原因ではないかと考えられるようになっている。

この「糖化」と「カルボニル化」はアンチエイジング市場でいま最も注目されているワードともいえる。

「糖化」と「カルボニル化」抑制で、皮膚のアンチエイジング

「糖化」とは、体の中の余計なタンパク質と糖が結びつくことでタンパク質が変性・劣化し、糖化最終物質である「AGEs」という物質が生成される反応のことである。

AGEsは体内で分解されにくく、肌や骨などに蓄積し、老化を促進させてしまうこともわかっている。肌のくすみやたるみも糖化によるものが多いのではないか、と近年研究が進められている。

「カルボニル化」は、体の余計な「タンパク質」と「脂質」が結びつくことでやはりタンパク質が変性・劣化し「ALEs」という物質が生成される。

カルボニル化したタンパク質は特に肌の奥の真皮層を黄色く変色させ、蓄積すると肌がくすむ。

つまり「糖化」と「カルボニル化」を効果的に抑えることが、皮膚のアンチエイジングに繋がることになる。

ヒト臨床試験で、AGEs及びAGEs産生が抑制

そこで「抗糖化」「抗カルボニル化」に効果的な素材として、オリザ油化では「桜の花エキス」と「ブロッコリースプラウトエキス」を提案。

桜は日本を象徴する花で古くから多くの人々に愛されている。桜茶やシロップ、さくら餅として食されることもあるが、桜の花の開花期間は非常に短く、食品や化粧品に利用されることは限定的であった。

そこでオリザ油化では日本だけでなく中国の八重桜も調達することで、安定的に供給できる桜のエキスの開発を行った。

桜の花にはフェニルプロパノイド配糖体であるカフェオイルグルコースやフラボノイド配糖体であるケルセチングルコシドといった特有の成分が含まれている。

ヒト臨床試験で、桜の花エキスを1日150mg、8週間摂取してもらい、プラセボ群と比較した結果、桜の花エキスを摂取した群のほうが優位にAGEsとAGEs産生が抑制されることも明らかになっている。

他にも、「メラニン色素産生抑制」「チロシナーゼ活性阻害」「コラーゲン産生促進」など、桜の花エキスの美肌効果が確認できているという。

桜の花エキスは、すでにサプリメントやドリンクでも利用されている。また、大手化粧品メーカーの化粧水やシャンプー&コンディショナーなどにも幅広く利用され、知名度を上げ始めているという。

ブロッコリースプラウトエキス、抗糖化の作用が期待

ブロッコリースプラウトエキスについてはこれまで、大腸がんや乳がん抑制、抗ピロリ菌といった機能性の高い素材と考えられてきた。

しかし、ブロッコリースプライトエキスの摂取で、シミの原因となる「チロシナーゼ活性抑制」や「メラニン生成抑制」の機能があることも確認されているという。

ブロッコリースプラウトエキスも桜の花エキスと同様、AGEs抑制作用が認められ、抗糖化の作用が期待できることが明らかとなっている。

肌の明度が上がり、美白作用も

また、カルボニル化タンパク質生成量についても検討したところ、ブロッコリースプラウトエキスを添加したタンパク質のほうが、カルボニル化が有意に起こらなかった。

ヒトモニター試験(被験者5名)でもブロッコリースプラウトエキスを1日1g、1日3回の摂取で、1ヶ月後に肌の明度を測定する試験を行った。

その結果、被験者全員において、肌の明度が上がり、赤みと黄みが抑制される美白作用が明らかになった。

ブロッコリースプラウトエキスもすでにサプリメントやドリンクとして用いられており、特に海外からのニーズも多く、ミルクやスムージーなどに添加されているケースも増えているという。

桜もブロッコリースプラウトも特に日本人にはイメージの良い素材で、ストーリーも作りやすい。抗糖化や抗カルボニル化、アンチエイジンング関連の商品としてぜひ活用してほしい、とまとめた。


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