これまでのようにコラーゲンやエラスチンを「どう補うか、どう増やすか」だけでなく、美肌の維持のためには「分解物のスムーズな取り込みと除去」が重要であり、新たな課題となる。
この分解物の除去と、それにより行われるコラーゲンとエラスチンの再合成には4つの遺伝子の活性が大切であることも分かっている。
コラーゲン、エラスチンの産生に関与する遺伝子がsmad、fibulinという2つの遺伝子。分解物取り込みに関する遺伝子がebdo180、neuraminidase-1という2つの遺伝子である。
ヒト繊維芽細胞にトマト種子エキスを添加する試験を行ったところ、smad、fibulinという2つの遺伝子の発現が増加し、その結果コラーゲン、エラスチン産生量の増加が確認できたとという。
より人間の皮膚構造に近い状態で試験
またトマト種子エキスの細胞添加で、ebdo180とneuraminidase-1という2つの遺伝子の発現が増加し、その結果、分解物の除去能力が高まったことも確認できた。
これらの試験を細胞試験だけでなく、細胞シートを使ってより人間の皮膚構造に近い状態で行ったところ、老廃物の減少(取り込み・除去)とコラーゲン・エラスチンの増加効果が確認できた。
また、皮膚の老廃物を取り込む器官である細胞内のリソソーム(細胞小器官)も増加しており、コラーゲンとエラスチン以外の老廃物や分解物の取り込みも強化されることが明らかになった。
肌のたるみやしわを予防・改善効果が期待
これらの研究結果から、トマト種子エキスには皮膚の真皮でコラーゲンやエラスチンが劣化した際に生じる分解物や老廃物を取り込み、そのリサイクルを促進させ、細胞外マトリックスを適正に維持することで、肌のたるみやしわの予防・改善効果が期待できることが分かった。
トマト種子エキスは水溶性のパウダーであるため、他の美肌成分との相乗効果も期待できる、とまとめた。
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