N320乳酸菌、飲むエイジングケアで期待
〜第18回ダイエット&ビューティーフェア


2019年9月9日(月)〜11日(水)、東京ビッグサイトで「第18回ダイエット&ビューティーフェア」が開催された。同展示会セミナーより日清食品鰍フ講演「ヒアルモイスト乳酸菌〜ヒアルロン酸を作らせる&紫外線ダメージを軽減する」を取り上げる。


乳酸菌によるスキンケア効果を研究

乳酸菌は腸内フローラを整え、免疫力を高め、健康の促進だけでなく、近年では自律神経系や脳にも多きな影響を及ぼすことが明らかになってきた。

腸内環境が整うと、美容にも良い影響があることはよく知られるが、日清食品では「特に肌に良い影響を与える乳酸菌」を発見したと報告。

日清食品というと即席麺のイメージが強いが、グループ会社の日清ヨークは、飲むヨーグルトや乳酸飲料「ピルクル」の開発で知られ、乳酸菌研究の歴史も長い。

乳酸菌の健康効果は近年盛んに行われているが、「乳酸菌と肌」に特化した研究報告は多くはない。

そこで日清食品グループの研究拠点であるグローバルイノベーション研究センターでは、乳酸菌によるスキンケア効果や作用に特化した乳酸菌研究に力を入れてきた。

乳児由来の乳酸菌、ヒアルロン酸産生を促進

その過程で、日清食品が独自に保有する約1000株の菌株すべてをスクリーニング。その結果、乳児由来の「N320」という乳酸菌にヒアルロン酸の産生を促す効果があることが分かった。

皮膚の正常な健康を維持するにはヒアルロン酸が重要な役割を果たすが、ヒアルロン酸は加齢とともに減少する。

ヒアルロン酸の減少は、皮膚の生まれ変わりであるターンオーバー機能を低下させ、シミ・しわ・たるみ・肌荒れ・乾燥といったあらゆる肌トラブルや肌老化の原因となる。

そのためスキンケア商材の多くにヒアルロン酸が使われており、美容医療の現場でもヒアルロン酸の直接注入といった手法に人気が集まっている。

N320乳酸菌、ヒアルロン酸産生促進機能

しかし、加齢とともにヒアルロン酸が減少する一番の原因は、体内にもともと備わっているはずの「ヒアルロン酸を合成する機能=ヒアルロン酸合成スイッチ」が低下するからではないか。

外からのヒアルロン酸の補給は一つの方法に違いないが、加齢とともに低下するスイッチを活性させる方法があれば、さらに効果的ではないか、と考えたという。

日清食品が保有する乳酸菌株のスクリーニングテストでも、摂取することで「肌のヒアルロン酸量が増加するのではないか」という観点で行なったところ、N320乳酸菌にヒアルロン酸産生促進機能があることが分かった。

さらに、経口摂取しやすいようにN320乳酸菌の発酵液作成し、43人のボランティアを対象にプラセボ対象二重盲検ランダム試験を行なった。その結果、2ヶ月間の摂取で、頬だけでなく全身において、水分量の増加に有意差が見られた。

N320乳酸菌に色素沈着抑制効果

さらに、N320乳酸菌には色素沈着抑制効果があることも分かった。

1000種類の菌株のスクリーニング検査を「色素沈着抑制」で行なったところ、N320を投与した細胞には、紫外線を照射するとメラニン増加が抑制され、紫外線による炎症抑制作用も見られた。

また、N320乳酸菌をパウダーカプセルに加工し、同じくボランティアにプラセボ対象二重盲検ランダム試験を行なった。

その結果、ヒト試験においても色素沈着抑制作用と日焼けに対する炎症(赤み)抑制作用が有意に認められた。

「飲む全身エイジングケア」としての乳酸菌

高齢化社会が進む中、美容素材に対するニーズはますます高まっている。また美肌商材については「飲むスキンケア」へのニーズが高くなっている。

例えば日焼け止めも「塗る」だけでなく「飲む日焼け止め」を利用する人が増えている。経口摂取することで、顔周りだけでなく全身の肌に効果が期待できることや、手入れ時間が短縮できること、何より手間が少なく続けやすいことなどがその背景にある。

「N320=ヒアルモイスト乳酸菌」にはヒアルロン酸は含まれていないが、飲むことでヒアルロン酸を体内で作りだす、というこれまでにない美容ストーリーがあり、まさに時代のニーズにマッチしているといえそうだ。

N320乳酸菌は、「ヒアルロン酸を作らせる乳酸菌」として特許出願中で、オリジナル商品も開発している。「飲む全身エイジングケア」として時代のニーズにあった新たな乳酸菌にぜひ注目してほしいとした。


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