プロテタイト、骨密度・骨量を健康的に維持〜食品開発展2019セミナー

2019年10月2日(水)〜4日(金)、東京ビッグサイトにて「食品開発展2019」が開催された。同展示会セミナーよりCBC鰍フ講演「プロテタイト〜骨密度・骨量を健康的に維持する新規素材」を取り上げる。


骨・筋肉・関節の障害者、国内に4,700万人

40代から自覚症状がないまま徐々に始まる骨や筋肉、関節といった運動器の障害。

こうした障害を抱える国内の患者数は4,700万人を超えるといわれる。中でも骨粗鬆症の患者数は予備軍を含めると2000万人以上と推測されている。

特に女性は40代後半の閉経前後から骨粗鬆症リスクが高くなることがよく知られている。

骨の成長ピークである18歳までに「骨貯金をしていなかった(激しいダイエット、食生活の乱れや運動不足)」、さらに「妊娠授乳期に骨のメンテナンスをしなかった(適切な栄養補給や運動)」、という状況のまま閉経期を迎えると、骨粗鬆症が想定より早く起こる。 転倒から寝たきりという状況が、50代や60代でも起こりやすくなる。

さらに近年では、生活習慣病の中でも糖尿病と慢性腎臓病が骨質(骨の骨梁構造)の劣化の原因になることが指摘されている。

骨密度・骨質でエビデンス

健康な骨を作るには、幼少期(授乳期から)にカルシウムを含むバランスの良い食事や運動、規則正しい生活を送ることが大切である。

骨の成長ピークは18歳だが、加齢とともに骨の健康維持や疾病予防に務めることが必要で、そのために日本人に不足しがちなカルシウムや加齢によって失われるコラーゲンをいかにうまく摂るかが重要な鍵となる。

「プロテタイト」の正式名称は「コラーゲン含有ミネラル複合体」。原材料は養殖鯉の鱗で、魚鱗から抽出精製したミネラル分に同じ魚鱗から抽出精製したT型コラーゲンが沈着結合したものである。

物質特許と製造特許を日本・アメリカ・中国・台湾・韓国で取得し、骨密度・骨質の両方でエビデンスを持つ。

マウス実験で、骨密度が顕著に上昇

プロテタイトには、T型コラーゲンが20%、カルシウムが28%、リンが14%含まれ、この割合は人の骨の構造と非常に似ている。

カルシウムとコラーゲンを配合したサプリメントは市場に多く流通しているが、電子顕微鏡で観るとそれぞれの分子が尖っていたり、異質な形状をしているものが多い。

また、体内でどのように吸収され、骨のリモデリング(再構築)に取り込まれるのか不明なものが多い。

しかしプロテタイトはヒトの骨組織と非常に類似した構造をしており、視覚的にも吸収されやすさが確認できる。

実際、骨粗鬆症モデルマウスを60匹用いた試験では、プロテタイトによって骨密度が顕著に上昇する効果が確認されており、骨質の改善効果があることも確認できたという。

ヒト試験で、骨密度の減少を抑制

さらにビタミンK2についてもマウス試験を行ったところ、骨質において改善効果が認められたものの、骨密度への影響は限定的で、骨密度と骨質の両方には効果がないことが分かった。

ヒト臨床試験は、神奈川歯科大学付属の骨粗鬆症外来で、48歳〜74歳の女性ボランティア30名を対象に行われた。

その結果、プロテタイトの1年間の摂取で、加齢による骨密度の減少を抑制し予防する効果、骨質においても劣化を抑制、被験者は副作用が認められず安全性が高いことが認められた。

骨と肌の症状に相関関係

近年、「顔のしわ・肌質」と「骨密度」の相関性が注目されている。骨髄由来の「間葉系幹細胞」は、骨を作る「骨芽細胞」と真皮層(皮膚)を作る「皮膚線維芽細胞」のそれぞれの原料となっている。

骨の低下が起こっている時は、真皮の機能低下が起きている時でもある。骨と皮膚の機能低下が同じように現れるのは、元々の「間葉系幹細胞」が同じだからという説や研究論文が世界的にも注目されている。

つまり骨と肌の症状には相関関係があり、プロテタイトはコラーゲン含有成分でもあるため「肌」への機能性もアピールできるというメリットもある。

骨の健康というと、メインターゲットが高齢者になりがちだが、肌の機能性も考えればトータルアンチエイジング、トータルインナービューティーというコンセプトでプロテタイトを応用した商品開発も可能である、とした。


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